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カンヌ4冠『ドライブ・マイ・カー』179分没入の監督術

濱口竜介監督インタビュー前編

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NIKKEI STYLE

日経エンタテインメント!

舞台俳優で演出家の家福悠介は、脚本家の妻・音を20年来愛していた。しかし音は、ある秘密を抱えたまま他界してしまう。2年後、広島の演劇祭で演出を任された家福は、愛車で現地へ。そこで出会ったのは、寡黙な専属ドライバーの渡利みさきと、かつて音に紹介された若手俳優の高槻耕史だった……。

映画『ドライブ・マイ・カー』は、村上春樹の同名短編小説を『寝ても覚めても』の濱口竜介監督が映画化。今年のカンヌ国際映画祭脚本賞、国際批評家連盟賞ほか、4冠の快挙を成し遂げた話題作だ。

「原作を読んだのは13年。単に面白いというより、『分かるな』と思いました。寡黙な家福とみさきが車内でポツポツ話し、距離を縮めていく。2人とも同じ方向を向いているからこそ、普段言わないことを話せる経験が、自分にもあるような気がして。また家福は、高槻が妻と寝ていたのではないかと疑っているわけですが、あるとき、嘘とは思えない高槻の言葉を聞く。その高槻の、人の深いところから出てくるような声にも聞き覚えがある気がして、『分かる』と思ったんです」(濱口監督、以下同)

プロデューサーから村上小説の映像化を提案されたことを機に、『ドライブ・マイ・カー』の映画化を着想。短編集『女のいない男たち』に収められた『シェエラザード』と『木野』を交えて脚本化した。

「家福の妻がどんな人間であったかを知るヒントとして『シェエラザード』を、家福の物語のその先を描いたものとして『木野』を採用しました。『このような形で映画化したい』と村上さんに手紙を送って、許可をいただきました」

家福役には、「抑制の効いた演技が、村上春樹的主人公像に通じる」と西島秀俊にオファー。みさき役には「会って聡明(そうめい)さを感じた」という三浦透子を選んだ。

3時間を見せきる監督術

当初は、家福が韓国の演劇祭に招かれるストーリーだった本作。しかし、コロナ禍で渡韓できず、昨年3月に撮影が中断。設定を広島に変え、11月に再開した。「力を入れたのは、コロナ禍でも全員が集中して演じられる環境を作ることと、もう1人の主役である車の撮影です。車を撮ることが、そのまま町や自然を撮ることにつながる場所にこだわりました」。

完成作の尺は179分。その上映時間の長さや分かりやすさなどの面で若干のハードルはあるが、観客の想像力や感情を揺さぶり続け、3時間まったく飽きさせない。

「多少、分かりづらいところはあるだろうなとは思っていました。でも、理解しづらいところも、後で拾い直せるよう作っているつもりです。それに、分からないことが分かる。そしてまた、分からないことが出てくる、という感覚があったほうが観客は集中力を保ちながら見てくれる。ほどよく分かりづらく、謎を作ることは大事なんです。3時間見てもらうには、どこで集中して、どこで休んでもらうのかというサインを出すことも大切。その役割を、音や編集のリズムに担ってもらいました」

商業長編デビューから3年でカンヌ、ベネチア、ベルリンと世界三大映画祭を席巻。ポン・ジュノ、黒沢清ら多くの鬼才が称賛を贈る。特筆すべきは、スクリーンにリアルな世界を創り出す力と、観客の想像を超えて「驚かせる」才能だ。『寝ても覚めても』ではヒロインの言動、本作ではみさきの過去の物語などに驚きがあふれる。

「『驚く』ということは、盲点を突かれること。自分の認識を突き崩されて、『世界はこうなっているのか』と認識を新たにできるので、驚くことはとても大事だと思います。それに僕は、驚いた瞬間に、生きている実感を強く持つことができる。今後も、僕自身が驚くことができて、その驚きがそのまま観客に伝わるようなものを撮っていけたらと思っています」

※後編に続く

映画『ドライブ・マイ・カー』
舞台俳優であり演出家の家福(かふく)は、美しい妻・音(おと)と2人で満ち足りた日々を送っていた。しかし、音はある日突然、秘密を残してこの世からいなくなってしまう。2年後、広島の演劇祭で家福は、専属ドライバーとして寡黙な女性・みさきと出会う。さらに以前、亡き妻・音に紹介された若手俳優・高槻がオーディション会場に現れた…。妻を亡くした喪失感と彼女の秘密に苛まれていた家福は、みさきとお互いの過去を明かすなかで、自分が目を背けてきたあることに気付かされていく。 (c)2021 『ドライブ・マイ・カー』製作委員会 ビターズ・エンド配給、公開中

(ライター 泊貴洋)

[日経エンタテインメント! 2021年9月号の記事を再構成]

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