ノンアル飲料の定義とは
厚生労働省の「e-ヘルスネット」では、酒税法などを根拠に、ノンアル飲料について「含有アルコール量が1%未満の飲料で、通常は外観、味、香りなどが酒類に似ているものを指し、清涼飲料水は含まれない」としている。また、酒類業界の自主基準は、ノンアル飲料を「アルコール度数0.00%で、味わいが酒類に類似しており、20歳以上の者の飲用を想定・推奨しているもの」と定めている。
メルシャンが6月29日に発売した「モクバル」(250ミリリットル、参考小売価格313円前後)は、発売後約1カ月で年間販売目標の4割にあたる15万本を突破するなど人気を呼んでいる。ノンアルワインではなく「ノンアルコールサングリア」という扱いだが、「ワインならではの余韻が楽しめる」と宣伝している。

製造は、数種類の果汁に糖類、ワインエキス、スパイス、ハーブなどを加え、炭酸ガスを注入。ワインエキスはワインからアルコールを抜いたものだ。
白(洋なし&パインmix)と赤(オレンジ&マンゴーmix)の2種類で、ともにフレッシュな果実感と酸味のバランスがよく、スパイスやハーブの香りがワインっぽい複雑な味わいと余韻を醸し出している。よく冷やして、軽いおつまみと一緒に味わうのがお勧めだ。ノンアルコール飲料をベースにしたカクテルを「モクテル」と呼ぶが、メルシャンは、フルーツやハーブ類などをグラスに浮かべてモクテルとして楽しむことも提案している。
スパークリングワインの代わりなら、スペイン産のワイン用白ブドウ品種アイレンを使い、スパークリングワイン造りの盛んなドイツで醸造した「ヴァンドーム・クラシック」(750ミリリットル、参考小売価格1490円)がお勧め。

一度、ブドウをアルコール発酵させてワインにしてから、低温低圧の条件でアルコールを蒸発させる手法を用いている。気圧を下げると常温でアルコールが蒸発するため、アルコール発酵で生成した香り成分を壊さず、維持できる。醸造技術が発達した最近は、いったんワインを造ってからアルコールだけを抜くという手法が、ノンアルワイン製造の主流だ。
ヴァンドーム・クラシックは、りんごジュースのような味わいだが、泡が力強く立ち上ってくるため、口にした時に清涼感があり、食前酒にぴったり。サラダや白身魚など軽い味付けの料理とも合いそうだ。