ワインらしさ過度に求めず楽しむのが流儀

白ワインの代わりを探すなら、イチ押しは「オピア シャルドネ」(750ミリリットル、希望小売価格1620円)。フランス産のシャルドネの果汁をグレープシード、酵母エキスに混ぜて製造。アルコール発酵させずに造っている。

「オピア シャルドネ」は白ワインの代わりにおすすめ

アルコール発酵が起きるのを防いでノンアルワインを造るのは、昔ながらの手法だ。例えば、ジュースのブランドとして有名なウェルチは、教会の聖餐式用にアルコールなしのワインを造ることを思いついた米ニュージャージー州のトーマス・ブラムウェル・ウェルチ医師が、搾った果汁を瓶ごと熱湯の中に入れて殺菌することで発酵を防ぎノンアルワインを造ることに成功した。1869年のことだ。これが現在のブドウジュースにつながっている。今は、果汁を低温に保つことで発酵を防ぎながらブドウの成分を抽出するノンアルワインが多いようだ。

オピアは、みずみずしいりんごや白桃の香りが印象的なやや辛口の味わい。酸味の感じや口当たりがとてもワインっぽく、くせがないので飲みやすい。主原料はすべて有機栽培したものを使っている。

「アラン・ミリア ソーヴィニオン・ブラン種 白グレープジュース」(330ミリリットル、小売価格864円)も、ぜひ試してほしい1本だ。白ワイン用ブドウ品種のソーヴィニヨン・ブランを搾り、アルコール発酵させずに造った果汁100%のノンアルワインだが、りんごや白桃の香りにハチミツのニュアンスがあり、高級白ワインを思わせる雰囲気。料理とも合わせやすそうだ。

アルコール発酵させずに造った「アラン・ミリア ソーヴィニオン・ブラン種 白グレープジュース」

ワインのアルコールには、アルコールとしての役割だけではなく、ワインに独特の香りや口当たり、ボディーなどを与える役割もある。このため、ノンアルワインはどうしてもワインと同じ味わいにはならない。また、今回は赤のノンアルワインもいろいろ試してみたが、同じブランドでも、白と比べると、ワインらしさという点で期待外れが多かった。ノンアルワインは、ワインらしさを過度に求めるのではなく、それ自体一つのジャンルとして楽しむのがよさそうだ。

(ライター 猪瀬聖)

※価格は税込み

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