米で話題の『監視資本主義』

紀伊国屋書店大手町ビル店の西山崇之さんのおすすめは『監視資本主義』と『良い戦略、悪い戦略』

紀伊国屋書店大手町ビル店の西山崇之さんも同じく最新刊の本格的な経済書をすすめる。19年に刊行された原著が大きな反響を呼んだ600ページを越える大著、ショシャナ・ズボフ『監視資本主義』(野中香方子訳、東洋経済新報社)だ。データの収集・活用でIT大手が開きつつある経済を監視資本主義と名付け、その発展過程と問題点を詳細に検討した一冊だ。「話題性があっても手を出しにくい厚さだが、まとまった時間があるならおすすめしたい」と西山さんは話す。

もう1冊はロングセラーの経営書、リチャード・P・ルメルト『良い戦略、悪い戦略』(村井章子訳、日本経済新聞出版)を挙げてくれた。12年刊の戦略論の大家による名著だ。「定番ともいえる経営戦略論の本だが、刊行から10年近くたつのによく売れていて、最近も重版されたばかり」という。

若いビジネスパーソンに選挙と発想法の本

青山ブックセンター本店の本田翔也さんのおすすめは『NO YOUTH NO JAPAN vol.1』と『考える術』

「若いビジネスパーソンにすすめたい」と準定点観測書店の青山ブックセンター本店の本田翔也さんが選んでくれたのはNO YOUTH NO JAPAN編著『NO YOUTH NO JAPAN vol.1』(よはく舎)と藤原麻里菜『考える術――人と違うことが次々ひらめくすごい思考ワザ71』(ダイヤモンド社)。大作が数多く並んだ今回のおすすめ本の中ではかなり異色な選本になった。

特に『NO YOUTH NO JAPAN vol.1』は文庫本より一回り大きいサイズの40ページ強の小冊子がビニール袋に入っている、変わった形状の本。編著者のNO YOUTH NO JAPANはインスタグラムを「U30のための政治・社会の教科書メディア」と位置づけ、参加型デモクラシーをカルチャーにする活動を展開している団体で、選挙で投票に行く意味を考え、発信したインスタ投稿をキャプション付きで本に仕立て直したものだ、「総選挙が近づいていることもあり、若い世代に少しでも政治に関心を持ってもらいたくて」とは本田さんの推薦の弁。

『考える術』は「無駄づくり」というコンテンツづくりを8年ほど続けている発明家の本。「失敗から考える」など一見常識的なワザから「ズボンのチャックが開いているとLINEが来るマシーン」を発想したりする。「思考法の本はいろいろあるけど、変わったマシーンを思いつくプロセスが発想を飛ばすヒントを与えてくれる」という。

(水柿武志)

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