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主体的なキャリアづくりは幸福感や意欲も引き出す(写真はイメージ) =PIXTA

主体的なキャリアづくりは幸福感や意欲も引き出す(写真はイメージ) =PIXTA

転職のニーズが再び高まっている。転職サイト「日経転職版」は特別セミナー「田中研之輔先生と学ぶウェビナー プロティアン・キャリアとは」を開催した。主なテーマは、環境の変化に応じて柔軟に変わることができる変幻自在なキャリアを意味する「プロティアンキャリア」。法政大学教授で一般社団法人プロティアン・キャリア協会代表理事の田中研之輔氏に、プロティアンキャリアについて話を聞いた。

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現在のあなたのキャリアコンディションは、100点満点中の何点でしょうか。私は「(ビジネス)キャリア」というものは「医療」に似ていると思っています。ですから、キャリアコンディションは健康状態と同じで、「改善できる」と考えています。キャリアコンディションを改善するためには、今のコンディションを把握して、改善のために今日から何に取り組むかを決める必要があります。これが「プロティアン」の前提になります。

具体的な改善のポイントは、私が作ったこちらの診断ツールを見てください。

当てはまるものにチェックを入れて、その数をカウントすると、自分のプロティアン度数がわかります。15点満点中12点以上の人は、変幻自在に自らのキャリア形成を行って、社会の変化にも対応可能な「プロティアン人材」だと認識してもらっていいです。4~11点の人は、キャリアに関心があったり、転職に興味をもっていたり、キャリア形成へのアクションを起こしたいと思っているものの、まだ変化への対応力が少し弱い「セミプロティアン人材」です。3点以下の人は、現場のキャリア維持にとどまっていて、変化に対応できていない「ノンプロティアン人材」です。

「プロティアンとは何か?」ということを説明すると、1976年にボストン大学のダグラス・ホール教授が提唱したキャリア理論のことです。ギリシャ神話に登場する変幻自在の神「プロテウス」からきています。つまり、「プロティアン」とは、変化に適合するという神のメタファーを枕詞にしたキャリア理論で、転職しようが、現職に残ろうが、何にでも変身できることが自分のキャリアの支えになるという考え方のことです。

「プロティアン」の考え方において大切なことは2つです。まず、組織によってキャリアにとらわれるのではなく、個人によってキャリアを作ること。つまり、「自ら主体的にキャリア形成をする」ということです。そして、キャリアを過去の集積と捉えるのではなく、未来戦略を描くための羅針盤と考えること。つまり、「変化に適合しながら自分を社会的ニーズに合わせて進化させる」ということです。

主体的にキャリア形成をしていくためのポイントは、「アイデンティティー=自分らしくある」と「アダプタビリティー=変化を活かす力」の2つです。組織内キャリアでは「自分らしくある」というのはなかなか難しいことですが、これからの時代「自分らしく働くには?」ということをしっかりと言語化し、変化に適合していくことが必要になります。

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