三菱商事からAI起業 「小4の決意」をかなえた米留学会田武史・レブコム社長(下)

会田武史・レブコム社長
会田武史・レブコム社長

人工知能(AI)を使って会話を解析することで、これまで属人的で外部からは見えづらかった営業トークを可視化。営業の労働生産性を向上させるサービスを手がけるレブコム(東京・渋谷)は、コロナ禍で業績を伸ばしたスタートアップの一つだ。小学生の頃から起業を目指していたという社長の会田武史氏(32)は、中高を成城学園で過ごし中央大学に進学。三菱商事に入社して6年目、起業家としての一歩を踏み出した。

中央大学総合政策学部に進学後は、体育会陸上部に入部。2年生でアリゾナ大学に留学した。

成城学園中学では野球とラグビー、同高校ではサッカーと柔道をしていましたが、大学では陸上部に入りました。伝統ある中央大の陸上部には、中高で全国レベルで活躍してきた選手がゴロゴロいました。僕の専門は短距離走で、ロンドン、リオ、東京と3大会連続で五輪の陸上日本代表に選ばれた飯塚翔太選手は3つ下の後輩に当たります。でも僕自身は、エリート選手には程遠い存在でした。高校まで人の背中を見て走ったことは一度もなかったのに、大学の陸上部では人の背中ばかり見て走ることになり、スポーツで初めて大きな挫折感を味わいました。

一方、勉学面は充実していました。小学4年で経営者になると決め、大学ではその夢を実現するための基礎を学ぶのだという意識でしたから、あらゆる授業が面白く感じられました。経営者を目指すには、留学とインターンも必須だと思い、2年生から1年余り、アリゾナ大学に留学しました。ちょうどリーマン・ショックの直後で米国経済が大打撃を受けていた時期。でも、周囲の学生は起業したりNPOで活動したりと元気いっぱいで、刺激を受けました。

僕は米国人の学生3人と1つの家をシェアしていたのですが、そのうちの1人もホットドッグのECサイトを始めました。メキシコと国境を接しているアリゾナには、街中にチリドッグのおいしいスタンドがいっぱいあるので、人々が知らない店の情報を載せれば売れるというのです。僕は「そんなのうまくいくはずがない」と言い、案の定、彼は失敗して借金を抱えました。ところがそのとき、彼が発した一言に僕は衝撃を受けました。「さあ、次は何をやろうかな」と言ったのです。彼はすでにチャレンジして失敗しても、またすぐに次を考えている。やりたいことが見つからないことを言い訳にして、何も始めていない自分をふがいなく感じ、強い焦りを覚えました。

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