コンサルに内定期間中にお試し起業

及川さんは札幌市出身。小学校では少林武術、中学では野球、そして高校では空手に明け暮れた。スポーツの名門校、北海高校では空手部で年間360日前後を練習に費やし、インターハイにも出場した。しかし、強豪選手に敗れ、燃え尽きた。「スポーツではトップになれない」と落ち込んだ。

少年の頃、裕福な家庭に育ったわけではない。「貧乏暮らしだったけど、エジソンのような偉人になりたい」と夢想にふけった。高校の頃、父親が不動産業で独立し、成功した。父の背中を見ながら、自分も将来は経営者になろうと決意し、上京した。大学1年の頃、まず会計や監査の勉強をし、コンサルティング会社に入社。30歳までに起業しようと計画を立てた。

お試し起業で、連続起業家になったと笑う及川さん

大手コンサルの内定を獲得した。ソフト会社を起業したのは入社までの「お試し起業」だった。ミクシィでの学生インターン時代に知り合った3人がそれぞれ1万円を出し合い、サーバーを借りて名刺を作った。SNS(交流サイト)関連のアプリを受託開発するとヒットした。その結果、内定を辞退し、そのまま起業家になった。

米シリコンバレー同様、日本でも連続起業家が増えている。及川さんもそうだったが、日本でも自身の会社を売却し、別の会社を興したり、投資家に転身したりする人は増えている。

「起業家のゴールの1つは上場だが、実際そこにたどり着く会社はほんの数%ぐらい。年間の新規株式公開社数は100社程度にすぎない。起業家は『会社を辞めたい』と思ってもなかなか難しい」と及川さんは語る。既存の大手M&A仲介会社があるが、「最低手数料が2000万円以上、あるいは売買金額の5%を手数料として取られる。これだとスタートアップの経営者にはつらい」という。

次のページ
400社以上の買い手情報、サイトに公開