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脳卒中を防ぐ5つの「血管ストレッチ」

木村さんに続いて、立命館大学スポーツ健康科学部教授の家光素行さんが登場した。

脳卒中の原因となる動脈硬化を防ぐには運動が大切だ。しかし、梅雨どきや暑い季節はどうしても外出するのがおっくうになる。そこで自宅やオフィスでも気軽にできて、脳卒中を予防する効果の高い5種類の「血管ストレッチ」を紹介するというのだ。

動脈硬化を防ぐうえで、ストレッチの効果は決してバカにできない。20~83歳の526人を対象にした家光さんの研究から、40歳以上では「体が硬い人は動脈硬化も進んでいる」ことが分かった[注1]。動脈硬化の度合いを見るPWV(脈波伝播速度)検査から、ストレッチによって動脈硬化が改善し、血管が柔らかくなることも確認されている[注2]

[注1]Am J Physiol Heart Circ Physiol. 2009;297(4):H1314-8.

[注2]Am J Phys Med Rehabil. 2016;95(10):764-70.

なお、ここで紹介する血管ストレッチはすべてイスを使って行う。背もたれがあり、キャスターのついていない安定したイスが望ましい。5種類をそれぞれ左右20~30秒ずつ、1日2回行おう。(ストレッチ写真提供=立命館大学・家光教授)

1. 体の中心部にある大動脈を伸ばすストレッチ

1. イスに座り、両手を肩幅くらいに開く。タオルを持つとベター。

2. 両腕をゆっくり上に持ち上げながら、上半身を反らして背もたれに寄りかかる。

3. 20~30秒間キープする。
2. 太ももの付け根の大腿動脈を伸ばすストレッチ

1. イスに浅く座り、横を向いて伸ばしたい脚をイスの外に出す。

2. 外に出た脚を後ろに伸ばし、脚の付け根を伸ばすことを意識する。

3. イスに近い手を背もたれに、反対側の手を前に出ている脚に載せる。

4. 背筋をまっすぐ伸ばしたまま20~30秒間キープする。

5. 反対側の脚も行う。
3. ひざの裏の膝窩(しっか)動脈を伸ばすストレッチ

1. イスに浅く座り、片脚を前に伸ばし、かかとを床に着けて爪先を浮かせる。

2. 伸ばした脚のひざに両手を置いて下に押す。このとき顔を下げないように注意。

3. 20~30秒間キープする。

4. 反対側の脚も行う。
4. ふくらはぎの後脛骨(こうけいこつ)動脈を伸ばすストレッチ

1. イスの後ろに立つ。

2. 背もたれを両手で持ち、伸ばしたい脚を一歩下げる。

3. かかとを床に着けたまま、ゆっくり体重を前にかけて、ふくらはぎを伸ばす。

4. 20~30秒間キープする。

5. 反対側の脚も行う。
5. 足の指先の毛細血管を伸ばすストレッチ

1. イスに座って、片足をひざの上に乗せる。

2. 指先を両手で持って、そのまま上半身を反らして背もたれに体重をかけていく。

3. 20~30秒間キープする。

4. 反対側の足も行う。
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