そこで論理的なアプローチではなく観察論的なアプローチに切り替えて、自分なりに編み出したのが「自己相対性理論」です。これは僕が勝手に名付けたんですが、両親や先生、友だちと接しているときの自分ってそれぞれ微妙に違いますよね。つまり自己とは他己によって定義されている極めて相対的な存在であると気づいたのです。自分を幸せにするには、自分を定義している他己を幸せにしないといけない。僕の場合は小4で経営者になると決めていましたから「ビジネスで世の中に何かしらの仕組みを作り、それによって他者を幸せにする。それが僕の生きる目的だ」というのが自己相対性理論の結論でした。

大学は指定校推薦で中央大学総合政策学部に進んだ。1993年に新設された学部で、既存の学問の垣根を超えて学際的に学べるカリキュラムが特徴だ。

高2で哲学に目覚めてからは受験勉強そっちのけで本ばかり読んでいましたが、幸いにも大学の指定校推薦をもらえることになりました。選択肢として早稲田や慶応もあったのですがどちらも理工学部で、僕は将来起業するつもりだったので文系のほうがいいと思いました。そこで魅力的に映ったのが中央大学の総合政策学部でした。パンフレットには、経済学や法学のように一つの分野に特化せず、リベラルアーツを幅広く学べると書かれていました。僕の場合は経営学を軸に、社会学や統計学などを多角的に学びたいという気持ちがあったので、この学部に決めました。

振り返ると、僕の人生のターニングポイントの1回目は小4のときに経営者になると決めたこと。2回目は高2で生きる目的を定めたことでした。3回目は、大学2年生のとき。留学した米国で友人が発した一言に、ハッとさせられました。詳しくは後半でお話しします。

(ライター 石臥薫子)

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