「寝落ち配信」が人気に

川村絵美香 Spoon Radio ジャパンカントリーマネージャー。2014年にヤフーに入社。留学のため渡韓し、18年にSpoon Radio Inc.に日本人第一号社員として入社。Spoon日本サービスの立ち上げから携わる

――人気配信者も数多く生まれているそうですね。

Spoonは22時~深夜2時頃が1番のピークタイムで、「寝落ち配信」という、リスナーが聴きながら眠りに落ちる配信が人気コンテンツの1つなんです。なかでもエネさんは「寝落ちの帝王」と呼ばれている配信者。川のせせらぎのBGMに乗せ、今日起こったことをゆったりとしたペースで語っていて評判になっています。

逆に、煉獄さんはクラブミュージックをバックに、パリピノリのトークを展開しており、ストレス発散になると人気です。他にも、青樹恭大さんは弾き語り配信を行っている方で、オリジナル楽曲も制作しており、Spoonをきっかけに脱サラまでされたそうです。

彼らのような人気配信者がもっと活躍できる場を作ろうと考え、この4月からTBSラジオで『Spoon presents 梶裕貴 声のひとさじ』(木曜/21時30分)という番組も始めました。人気声優の梶さんMCの番組で、Spoonの配信者たちが隔週でゲスト出演しています。今後も、他メディアとのコラボを積極的に進めていく予定なので、将来的には、「Spoon出身の〇〇です」みたいな人気者を数多く輩出できればと思っています。

スズキの視点

各所で“盛り上がり”が語られる「音声配信」ですが、各サービスを見ていくと、かなり提供価値が異なっており、多様性があります。なかでもSpoonは、2つの意味でとてもパーソナルなサービスだと感じました。1つは配信者が“エイリアス”=違う自分を演じることを楽しんで配信していること。2つ目はファンがそんなエイリアスと一緒に非日常を耳で楽しんでいること。こうした双方の特別なつながりによって、Spoonの月間利用時間が他サービスに比べて長くなるのだとうなずけました。

鈴木貴歩
ParadeAll代表取締役。“エンターテック”というビジョンを掲げ、エンターテインメントとテクノロジーの幸せな結びつきを加速させる、エンターテック・アクセラレーター。エンターテインメントやテクノロジー領域のコンサルティング、メディア運営、カンファレンス主催、海外展開支援などを行っている。

(構成 中桐基善)

[日経エンタテインメント! 2021年8月号の記事を再構成]

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