ルノー・カングー 最後の現行仕様はディーゼルモデル

2021/9/19
ルノー・カングー リミテッド ディーゼルMT(FF/6MT)
ルノー・カングー リミテッド ディーゼルMT(FF/6MT)
webCG

長く愛されてきた2代目「ルノー・カングー」の最終ロットがいよいよ日本上陸。しかもその中身は、最後にして最初となるディーゼルエンジン搭載モデルである。そしてこの希少な初物では、カングーの美点がガソリンモデル以上に味わえるのだからたまらない。

上陸がこのタイミングとなった理由

カングーといえば本国ではすでに次期型が発表されているわけで、今回のディーゼルモデルの国内発売には多くのファンが驚いたことだろう。ちなみに今回のディーゼルは“追加”ではなく、400台の“限定発売”となる。

というのも、現行2代目カングー本来のカタログモデルだった1.2リッターガソリン車はすでに生産が終了しており、現在は市中在庫のみとなっているからだ。しかも、今回の日本向けディーゼル400台が、仏モブージュ工場における現行乗用車仕様の最後の生産だそうである。つまり、これが日本に輸入される最後の2代目カングーであり、“継続”も“おかわり”もあり得ないという。

そんな正真正銘のファイナルモデルが、まさかの日本初上陸ディーゼル……というサプライズ。知ってのとおり、カングーは商用車としての顔ももっており、地元欧州での販売は大半がディーゼルである。よって、筋金入りのファンは「カングーはディーゼルこそ本来の姿」という思いをずっと抱いてきた。なのに、この購入直後に旧型になること確定のタイミングでのディーゼル発売となれば、ネットかいわいに「いまさら?」「遅すぎ!」の声も見られるのも自然なことだろう。

ただ、国内インポーターのルノー・ジャポンも、もったいぶってカングーのディーゼルを輸入しなかったわけではない。それどころか、カングーのディーゼル導入については常に模索していた。しかし、2代目カングーのディーゼルがそもそも旧来の「ユーロ5」を想定した設計であり、日本の排ガス規制を通すのは事実上不可能な状態が長らく続いていたという。

転機が訪れたのは2018年だ。年々厳格化される欧州の排ガス規制に合わせて、カングーのディーゼル排ガス処理システムにも、ついに最新の尿素SCRが導入された。カングー ディーゼルの日本導入計画はここからスタートするのだが、日本仕様への適合に予想以上の時間がかかってしまったらしい。

2021年7月1日に発売された「ルノー・カングー リミテッド ディーゼルMT」。その名のとおり、400台限定でディーゼルエンジンを搭載した6段MTモデルである。
フロントバンパーにはLEDのデイタイムランニングライトを装備する。
ドアミラーの下部には「LIMITED」のバッジが貼られている。
センターキャップやボルトまでブラックで統一されたスチールホイールを装備する。

スペシャル感はほどほど

「ディーゼルMTは、現地でもっともポピュラーなカングー。そんなもっともカングーらしい仕様を最後にお届けします」というのがルノー・ジャポンの公式見解である。ただ、今回については本来もっと早くにカタログモデルとして追加するつもりだったが、結果的にギリギリのタイミングになってしまった……というのが現実のようだ。当事者としては、いまさらどころではなく、「なんとか間に合った!」というのが本音なのではないか。そう指摘すると、ルノー・ジャポンの担当者はうなずきはしなかったが、明確に否定もしなかった。

なにはともあれ、こうして上陸したカングー ディーゼルだが、クルマそのものは欧州で以前から普通に用意されてきた量産型カングー(乗用最終モデル)である。シート表皮などのトリムグレードも最終期のカタログモデルと同じものだ。日本ではサプライズ的な限定車とはいえ、日本架装部品である「LIMITED」のサイドバッジ以外、その内外装に特別変わったところはない。

従来のカタログモデルと比較すると、LEDデイタイムライトとバックソナー、むき出しのスチールホイールが今回の特別装備となっている。だが、どれも本国ではオプション(あるいは標準)設定される通常装備であり、これまで無数に(笑)発売されてきた国内向けの限定車でも前例のあるアイテムばかりである。

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