ランキングが「西高東低」になるからくり

さて、ランキングを見ていこう。東大のランキングでも京大のランキングでもさほど目立たないところに位置していたのに、国公立大医学部ランキングでは全国1位に躍り出る学校がある。愛知県の私立中高一貫校・東海だ。

東海は、東日本と西日本のちょうど中間にあるため、東大と京大に志願者が分かれる。だから両大学の合格者数ランキングではさほど上位に来ない。しかし近隣には、名古屋大学、名古屋市立大学、岐阜大学、三重大学、浜松医科大学など、医学部を擁する大学が多い。だから医学部合格者数では突出した数字を出す。

大学通信調べ。◎印は私立、無印は公立を示す。合格者数は各高校への調査などから集計した。校名は現在の名称

私立では愛媛県の愛光や大阪府の四天王寺、公立では熊本県の熊本や北海道の札幌南も、東大や京大のランキングでは目立たないが、国公立大医学部では上位に来る。東大・京大のランキングを見ているだけでは、このような学校の存在には気づきにくい。

ただし、国公立大医学部ランキングを見るときにも注意は必要だ。一見してわかることは、西高東低の傾向だ。これには種も仕掛けもある。

さきほど、国公立大医学部は全国にほぼ均等に50あると述べたが、それはあくまでも地理的な観点での話。人口比を考えると、国公立大医学部は西日本に偏在しているといえるのだ。

関東地方(東京・神奈川・埼玉・群馬・栃木・茨城・千葉)の総人口約4300万人に対して国公立大医学部は6。近畿地方(京都・大阪・滋賀・兵庫・奈良・和歌山・三重)の総人口約2250万人に対して国公立大学医学部は9。さらに九州地方の総人口約1450万人に対して国公立大学医学部は8。

国公立大医学部の毎年の募集定員はどこもだいたい100~130人で大差はない。つまり、人口当たりの医学部定員数を比べると、関東地方と近畿地方では3倍近い差があり、関東地方と九州地方では4倍近い差があるのだ。関東地方ではそれだけ国公立大医学部の間口が狭いわけである。その分、私立大学医学部は関東地方に多い。

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国公立大医学部であっても経済的な壁が高い
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