コロナ禍でも高級時計市場は元気だ。バーゼルワールドやSIHHといったかつての国際的な時計見本市はなくなったものの、「ウォッチズ＆ワンダーズ 2021」のようなメジャーブランドが集うオンラインイベントで、あるいは独自の発表会で、刺激的なニューモデルが多数発表された。3回に分けて、キーワード別に魅力あるモデルを紹介する。2回目となる今回のキーワードは、グリーンのダイヤル、チェンジャブルストラップ、70年代テイスト、ブロンズケースの4つだ。
時計を選んだのはこの面々
（左から）
■時計ライター 高木教雄さん 1962年生まれ。’99年からスイスで新作時計発表会取材に取り組み、本誌のほか時計Beginやクロノスなどの専門誌でも執筆。
■ファッション・時計ライター 吉田 巌さん M.E.のファッション＆時計の原稿を数多く担当する知恵袋。小ぶりでヴィンテージなクロノグラフ時計をこよなく愛する。
■MEN’S EX編集長 平澤香苗 編集長に就任し、機械式時計を見比べる機会が急増。最近ではスケルトンやセラミックなどハイテク系の時計にも興味津々。
■MEN’S EX時計担当 田上雅人 普段はGSを愛用。休日は主にドライビングウォッチだったが、最近、ヨットに乗る機会が増えたので次狙うはマリンウォッチ！？
Keyword 5 Fashionable Greenファッションで楽しむ定番グリーン
近年のトレンドとみなされてきたグリーンダイヤルは、どうやら定番カラーとして定着しつつある。各メゾンを代表するモデルに、当たり前のようにグリーンが使われ始めたからだ。前出のジャガー・ルクルトのレベルソしかり、ロレックスの「デイトジャスト 36」もまたしかり。「パテック フィリップも今年『ノーチラス 5711/1A』に、オリーブグリーンのダイヤルを与えました。この新作が登場した意味合いは深い。何故なら、この入手困難な超人気モデルは年内に生産を終了するからです。SS3針ノーチラスの最終版が、グリーンに装ったのだから、時計業界に与える影響は、大きいと思います」（高木さん）。「グリーンはファッションのトレンドでもあります。緑の着こなしは難しいですが、時計なら適度な差し色になりますね」（平澤）。
■PATEK PHILIPPE（パテック フィリップ）
ノーチラス 5711/1A
グリーンで有終の美を飾るSS3針のノーチラス
新色オリーブグリーンは、見る角度によってほのかにブルーやグレーが浮かび色調が変わる。極めて繊細なソレイユ仕上げとPVDにより、高級時計にふさわしいグリーンの質感がかなえられた。自動巻き。径40mm（10-4時方向）。SSケース＆ブレスレット。401万5000円（パテック フィリップ ジャパン・インフォメーションセンター）
■ROLEX（ロレックス）
オイスター パーペチュアル デイトジャスト 36
熱帯林から着想したグリーンのパームツリー
オイスターコレクションの象徴的存在が、オリーブグリーンのパームモチーフをまとった。オリーブグリーンダイヤルは、複数の金属から作られメタリックな質感に。葉が重なり合う意匠によって、フラットなダイヤルに立体感が宿る。自動巻き。径36mm。SSケース＆ブレスレット。発売時期未定。予価74万3600円（日本ロレックス）
■H.MOSER & CIE.（H.モーザー）
パイオニア・センターセコンド メガ・クール
カリブ海に想を得た目に鮮やかなグリーン
パイオニアに加わったフュメダイヤルの新色ターコイズブルー。メタリックな質感はまさに“クール”である。針は、スーパールミノバRを含むセラミックの発光体グロボライトRのインサート付きへと変更。よりスポーティーな印象と、強力な発光による夜間の視認性とを高めた。自動巻き。径42.8mm。SSケース。ファブリックストラップ。181万5000円（エグゼス）
■TISSOT（ティソ）
ティソ シースター 1000 オートマティック 日本限定セット
価格以上の価値を持つタフな300m防水ダイバー
特製ケースとブラックラバーの替えストラップが付属する日本限定セット。華やかなグリーンのグラデダイヤルの下には、80時間駆動のパワーマティック80が潜む。日本限定セットは直営店、公式オンラインストアのみでの販売。自動巻き。径43mm。SSケース＆ブレスレット（ラバーストラップ付属）。9万1300円（ティソ）
■TAG HEUER（タグ・ホイヤー）
アクアレーサー プロフェッショナル300
レトロモダンに変貌した12角形ベゼルのダイバーズ
ダイバーズコレクションを今年一新 。インデックスを八角形のドットに変更するなど、ほのかにレトロな雰囲気に。ケースとブレスはサンドブラストでマットに、一方グリーンダイヤルはサンレイに艶めく。自動巻き。径43mm。チタンケース＆ブレスレット。49万5000円（LVMH ウォッチ・ジュエリー ジャパン タグ・ホイヤー）
