「ファクトとして本当に正当化できるデータがあるのか、怪しいとさえ感じている。テスラの売上高はトヨタ自動車の10分の1なので、キャッシュフローは微々たるものだ。お金が動いている事実を乗り越えて、実態を逆転させている真実がある。どこのデータにもなく、そしてどこの報道にもない、これからの産業や社会に対するイメージの塊が価値を作り出している」

「人類には記述できない真実を事実に翻訳し、つまらなくしてきた歴史がある。企業価値や国内総生産(GDP)もそうで、ここ150年で実現した話だ。経済以外にも、そもそも体温や温度も人類があたたかさなどを記録して広めてきたものだ」

――ひろゆきさんと藤野英人さんとの討論の中で、日本経済のあるべき未来について「先進国世界の中で独自性や珍味性を高めて我が道を行った方がいい」と主張していました。

「例えば街角にあるレストランやカフェそのものの価値は測ることができない。演劇や劇場などもそうだ。そのようなローカルな生活を支えるモノ、生活の質を根本的に支えているモノが街に与えている唯一性、地元性をどのように測れるかが大きな課題だ。体験や経験など測ることが難しいものにどのように価値を付けて『見える化』するかが大切だ」

「民主主義への不信感や市場経済への不信感がある中、今はどう修正していくか思考が停止している状態だ。何かしらのアイデンティティーにひも付いた単一通貨をベースとして比較・増殖させるのではなく、あらゆるモノやコトが商品としてのデータに変換されていくことから、新しい真実を再定義できるのではないか」

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