日経テレ東大学番外編 成田悠輔氏が考える真実と事実

メインパーソナリティーの成田悠輔さん
メインパーソナリティーの成田悠輔さん

日本経済新聞社とテレビ東京が動画投稿サイト「YouTube」上で展開している、経済バラエティーチャンネル「日経テレ東大学」。その中の討論番組プロジェクトでメインパーソナリティーに起用された成田悠輔さんは、データを用いた経済分析を専門とする米エール大学助教授です。そして起業家としての顔も持ちます。

NIKKEI STYLEでの番組公開に合わせて、成田さんに番組を通じてどのようなメッセージを伝えたいかを聞きました。

――今回の討論番組の根底には、どのような考え方がありますか。

「そもそもファクトやデータというものは、世の中で思われているより弱くてもろいものだと思う。それらが大量になると人の理解が複雑になって、処理しきれなくなって山のようになるからだ。今は、その山に対して切り口を入れて断面を見ているようなものだ」

「しかし断面の入れ方、切り口を間違えてしまうとファクトが全くない状態よりも悪くなる。かといって、ファクトやデータを全て持ってくることがいいことでもない。問題なのは、どのように切り出すかだ」

「(ミュージカル『ラ・マンチャの男』で)ドン・キホーテは『事実は真実の敵なり』というセリフを残した。人を動かすには世の中で重要な真実だと思えるものを見つけ出し、事業化や科学的に翻訳することが必要になる。真実の多くはシンプルだが、見つけ出すにはファクトの山が敵になる。ファクトは確かに重要だが、ファクトを越えた本当の真実をどう見つけ出せるかがもっと重要だと思う」

――ファクトの山が敵になっている例には、どんなものがありますか。

「例えば、企業の価値をどう決めるかについてだ。一番単純なのはキャッシュフローや利益だったはずだが、世の中では決まり方がどんどん逸脱してきている。代表例が時価総額で、米テスラが日本の自動車メーカーの合計、米グーグルが日本のIT(情報技術)企業の合計を上回っていることだ」

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