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「コロナ就活」でも高い内定率 学生・企業ともに焦り

採用コンサルタント 谷出正直さん

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NIKKEI STYLE

不況業界の採用停止、選考やインターンのオンライン化、最高水準の内定率――。最初から新型コロナウイルス禍という環境の中で動いてきた、2022年卒業予定の大学生・大学院生の就職活動も終盤を迎えています。コロナ禍における環境変化は就活にどんな影響をもたらしたのか。22年卒のデータや学生・企業の動きから、採用コンサルタントの谷出正直さんが「コロナ就活」を振り返ります。

氷河期にはならなかった

「採用枠が減る」「就職氷河期になるのか」と懸念されたのが22年卒の就活の始まりでした。実際はどうだったのか、求人倍率から見てみましょう。リクルートワークス研究所が4月に発表した22年卒の大卒求人倍率は1.5倍(前年は1.53倍)。この数字は、民間企業就職希望者数の1.5倍の求人数があるということを意味します。

私の姉は求人倍率1倍割れの氷河期ど真ん中の世代で、何枚も何枚も応募のはがきを書いて、なかなか通らず、苦労していたのを覚えています。22年卒の1.5倍というのは、直近で売り手市場のピークだった19年卒(1.88倍)には届かないものの、就職氷河期やリーマン・ショック後に比べると高い水準です。コロナ禍で「再び就職氷河期になるかもしれない」とささやかれた予想に比べれば「底堅い」結果だったと言えるでしょう。

就職人気業界である航空・旅行各社が採用をストップするというニュースが印象的だったので、焦る学生も多かったですよね。リーマン・ショックと違ってコロナ禍は特定の業界が打撃を受ける「分断景気」です。スーパーやドラッグストア、ネット通販などはむしろ業績好調、介護やIT(情報技術)業界はもともと人手不足で、コロナ禍でも採用を増やしています。製造業でもDX(デジタル・トランスフォーメーション)推進のための専門人材が求められており、例えば人工知能(AI)を活用して営業予測を立て、効率的に仕入れを調整したり、在庫をなくしたりするためにデータ活用に詳しい人材が必要になっています。コロナ禍でも企業の採用意欲が衰えなかったことは、今年の内定率にも影響しています。

最高水準の内定率、どう見るか

ディスコの調査によれば、6月1日時点の内定率は71.8%でした。これは17年卒から続く、現行の就活ルールでは最高の数字です。現行の就活ルールというのは、政府(かつては経団連)が企業に対して定めた新卒採用に関するルールで、3月に採用広報の解禁、6月に選考活動の解禁、とされています。しかし説明会や募集が始まるはずの3月1日時点で内定率はすでに21.1%もありました。

ただ、この数字の大きさ自体にあまりとらわれてはいけない、と私はよく関係者に話しています。内定率は就職サービス各社が発表しており、例えば4月時点の内定率は、21.5%~38.2%(マイナビは3月末時点)と16.7ポイントの開きがありました。結果が異なるのは、回答学生が異なるから。それぞれのサイトではモニター学生を募っているのですが、サイトごとに掲載企業の違いがあり、利用学生が異なります。また、こういった調査に回答する学生は、就活が比較的順調に進んでいる学生になることが多いというバイアスもあるのです。

私が内定率に関して着目しているのは「経年比較」。同じ調査において、同時期前年比で内定を得ている学生が増えているか、減っているか。この情報によって企業の選考が早まっているか遅くなっているのかを把握することができます。

先ほどのディスコの調査はどの時点をとっても過去に比べて上昇していますし、他社の調査もおおむね上がっています。つまり、企業がこれまでより早めに内定を出しているということです。

なぜ早くなっているのでしょうか? 冒頭で企業の採用意欲が旺盛であるという話をしました。裏を返せば、企業側にも焦りがあります。人手不足に悩む企業やITなど専門人材が欲しい企業は早く内定を出して囲い込んだり、内定辞退を見越して、多めに内定を出したりしているようです。また、欲しい人材に早めにアプローチするためにインターンシップを実施し、さらにそこで接触した学生を"優遇"する企業も多いのです。

インターン→早期選考が定着

ディスコの3月1日時点の調査をよく見ると、内定企業のうち74.7%がインターンシップに参加した企業で、その割合は20年卒と比べて約10ポイントも上がっています。ここから読み取れるのは、インターンが就活と密接に関係している「インターンの就活化」の実態です。

私が昨夏に実施した大手・優良企業への独自アンケート調査(約50社)で各社にインターンの開催目的を聞いたところ、前年と比べて「母集団形成」が最も多いのは変わりませんでしたが、「採用直結」と明言する企業が約4割増えていました。また、インターン参加学生を対象に、通常より早めに選考する「早期選考」を実施する企業は約7割でした。

早期選考は20年卒あたりからじわじわ増えています。インターンから早期選考の代表的な流れとしては、大学3年生の夏にインターンに参加すると、秋頃にインターン参加者限定の早期会社説明会の案内がきます。さらに社員との座談会やリクルーター面談、参加社限定の追加インターンなど、何度か接触があった後に、通常より早いスケジュールの選考へのエントリーを案内され、早ければ3年生の年末までに内定を得る学生もいます。

コロナ禍で採用枠が減るかもしれないと不安に駆られた22年卒の就活生ですから、「インターンに参加すると就活に有利になる」という情報を聞けば、とにかくたくさんインターンに応募しようと行動します。実際に、マイナビが昨年発表した「2022年卒大学生インターンシップ前の意識調査」を見ると、インターンシップ希望参加社数は、20年卒で4.2社、21年卒で5.1社だったのが、22年卒は8.1社と急増していました。

コロナ禍で不安だった学生、人材確保したくて焦る企業、両者の動きが相まって前倒しが進んだのがコロナ就活の特徴と言えるでしょう。

そして足元では、23年卒の夏インターンがすでに始まっています。就職サービス各社のインターン情報サイトから集計すると、夏のピークはこれまで同様、8月ですが、夏インターンの前に6月、冬インターンの前に10~11月の実施も増えており、企業も学生も早めに動くという傾向は続きそうです。

また、23年卒インターン情報サイトで最も掲載数の多いマイナビでは、約44%がオンラインでの実施になっています。未定のところも多いと考えると、実際にはもっと多い可能性があります。インターンに限らず、コロナ就活のもうひとつのキーワードは「オンライン化」です。後編では、オンライン就活の実態や影響とこれからの就活のアドバイスをお伝えします。

谷出正直(たにで・まさなお)
 奈良県出身。筑波大学大学院体育研究科を修了。中学・高校の保健体育の教員免許取得。新卒でエン・ジャパンに入社。新卒採用支援事業に約11年間携わり、独立。現在は、企業、大学、学生、採用支援会社、メディアなど新卒採用や就職活動に関わる約2700名と生きたネットワークを構築。様々な現場の情報やノウハウ、知見、俯瞰(ふかん)した情報を持つ。企業への採用支援、学生への就職支援、大学でのキャリアの授業、大学や保護者への講演・研修、現場情報の発信などを行う。筑波大学同窓会「茗渓会」の理事。

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