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UFOついに米国防総省を動かす 悪意ある他国の仕業?

<検証>米国「UFO報告書」第2回

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NIKKEI STYLE

ナショナルジオグラフィック日本版

2021年6月25日、米議会に「UFO報告書」が提出された。目撃者の証言を含めつつ、その内容を検証するシリーズの第2回をお届けする。

◇    ◇    ◇

04年にカリフォルニア沖で謎の物体「チクタク」を目撃したディートリック氏はその後、イラクとアフガニスタンで従軍してから、ワシントン特別区で海軍の管理職をこなしつつ、ジョージ・ワシントン大学で2014年に経営学修士(MBA)を取得した。

しかし、目撃事例の波紋が消え去ることはなかった。国防総省の役人たちは、ディートリック氏に対し、直接話を聞きたいという人たちに向けて説明をするよう繰り返し求めてきた。04年以降、氏は少なくとも年に1回、通常はそれ以上の頻度で説明を依頼された。

「いいかげんうんざりしていたところに、議会からも要望が来るようになりました」とディートリック氏は言う。「『上院議員や下院議員のところにきて説明してもらえますか。マケイン氏の事務所が興味を持っています』といった具合です。ジョン・マケインの依頼をだれが断れるでしょう」。大統領が交代する時期には、国防総省の職員から新政権に対して説明するよう求められたこともあった。

目撃事例への関心は高くなったり低くなったりを繰り返していたが、14年末から15年初めにかけて、決定的な出来事があった。

空母ルーズベルトに配備されているスーパーホーネットが、高速で移動する未確認航空機にフロリダ沖で遭遇したのだ。あるパイロットの言葉を借りれば、それは「球体の中に立方体がある」ような形状をしていたという。

より高性能なレーダーが装備されたこれらの戦闘機は、その奇妙な物体を追跡できた。翌年の初めには、攻撃機器と連動した3台のガンカメラの映像にも飛行物体がとらえられ、それらは「ジンバル」や「ゴーファスト」という通称で呼ばれるようになった。

「どれも風に逆らって飛んでいる。風は西へ風速120ノット(秒速60メートル)」。遭遇時の記録で、あるパイロットはそう言っている。「おい、あれを見ろよ!」また別の飛行士が叫ぶ。「あれを見ろって! 回転してるぞ!」

映像を撮影した飛行士は特定されていないが、ダニー・オーコイン大尉と、ライアン・グレーブズ大尉のパイロット2人が目撃者として名乗り出ている。14年と15年の遭遇事例の両方において、2人はレーダー画面に奇妙な影を見つけ、戦闘機のビデオカメラで翼も尾翼もない物体を撮影した。オーコイン氏はインタビューで、物体は軍用機に反応し、その周りを回ったと述べている。

彼らも、身元が特定されていないほかのパイロットたちも、海面と同じ高さを含めて、さまざまな高度で物体を目撃しており、音速の5倍を超える極超音速まで加速する物体も追跡している。中には驚異的な航続性能をみせ、12時間も無補給で飛行を続けた例もあった。そのほか、海兵隊員によって撮影された映像では、水中に入っていったように見えるものもある。

 17年、国防総省は不可解な出来事を調査する未確認空中現象(UAP)タスクフォースを立ち上げたが、議会が法的手段を持ってこれを明らかにした20年まで、同省はその存在を否定していた。当時マルコ・ルビオ上院議員が委員長を務めていた上院情報特別委員会は、その後まもなく、UAPタスクフォースが何をしていたのかについて報告書を出すよう命じた。

それが、140件を超える報告を盛り込んだ今回の報告書だ。なかでも数多くのUAP目撃事例において、奇妙な挙動が見られたことを明らかにしている。「21件の報告に記載された18件の遭遇事件において、観察者はUAPの異常な動作パターンや、飛行の特性を報告している」と報告書にはある。「われわれはさらなる分析を行い、ブレークスルー技術が使われていたのかどうかを確認する」

米国のものでないなら、どこからやって来たのか?

どうやら海軍のパイロットたちによって報告された遭遇事例では、少なくとも何らかの物体が飛んでいたと見て間違いはないようだった。国家情報長官室の報告書はこの見方を支持している。「報告されたUAPの大半は、レーダー、赤外線、電気光学、目標検知追尾装置、目視確認などを含む複数のセンサーによって記録されていることに鑑みて、たしかに物体であると思われる」

軍艦の周辺で繰り返し目撃されているため、米国防関係者はこうした物体について、悪意を持ったどこかの国の仕業ではないかと考えている。

地政学的に米国と敵対するロシアと中国は、急速に軍事力を強化しつつあり、また世界における米海軍の影響力を弱めることに関心を抱いていることから、強い疑いを持たれてきた。防衛関係者の間では、少なくとも1カ国の海軍が米艦船の近くに航空機を飛ばし、その反応を監視しているという説がささやかれている。

この説明にはそれなりの理はあるものの、UAPとの遭遇における細かい点については大いに疑問が残る。海軍機の近くを航空機が飛んでいて、それが米国のものでないとすれば、いったいどこから発進したというのだろうか。

15年1月にスーパーホーネットがジャクソンビル付近でUAPと遭遇した際、たまたまロシア軍の艦艇が一帯を通過中だったのはたしかだ。とはいえ、15年1月20日にキューバのハバナに到着したロシア海軍の情報収集艦ビクトル・レオノフは、信号の収集は行うが、実験用航空機の発射台にはならない。その目的であれば潜水艦の方がふさわしいだろう。

安価な消耗品である気球はどうだろうか。報告された一部のUAPの形状や、海に落ちたように見えた例とはつじつまがあっている。

しかしながら、気球は高速まで加速したり、急旋回したりできないし、「チクタク」「ジンバル」「ゴーファスト」には、それらを可能にする翼や尾翼があるようには見えなかった。また、赤外線を通してすら、排気は見えなかった。

ドローンの可能性は? 04年の、さらには2015年のドローン技術は現在のそれには遠く及ばず、今日知られている実験機でさえ、UAPの技を再現することは不可能だろう。たとえば04年の遭遇では、フレイバー氏は、チクタクの加速があまりに速く、目で追えないほどだったと言っている。プリンストン号のレーダーの記録も、フレイバー氏が自分から物体が離れていくのを目撃してからわずか数秒後に、97キロ離れた位置にいるUAPを発見しており、氏の証言を裏付けているように見える。

(文 JOE PAPPALARDO、訳 北村京子、日経ナショナル ジオグラフィック社)

[ナショナル ジオグラフィック ニュース 2021年7月4日付]

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