これまでレッドカーペットショーにはイチロー選手や、田中将大選手、ダルビッシュ有選手など多くの日本人メジャーリーガーも参加している。イチロー選手の私服ファッションは、何を着てもイチロー流になる独特のファッションセンスだ。マーくんは何を着ても、野球一筋で青春を過ごした高校球児のセンスが抜けきらない。イケメンなダルビッシュ選手は、ダメージデニムが似合うセレブカジュアルだ。そして何よりもみなさん、美人の年上女房と常に一緒というのがお約束である。

ジャケパンよりセットアップで「ニューノーマル」風

一方、大谷翔平選手は一緒に歩いているのも年上の美人ワイフではなく、北海道日本ハムファイターズ時代からのつき合いである専属通訳の水原一平氏。また、日本人メジャーリーガーといえば、ひたすらストイックで侍然としたたたずまいのキャラばかりであったが、誰にでもニコニコと笑顔でフレンドリーにたちふるまう人柄の良さもこれまでになかったキャラである。

ちなみに着用のアイテムは、会場でファッションチェックのインタビューでご本人も答えていたが、すべて大谷翔平選手がブランドアンバサダーを務めるヒューゴ ボスの主軸ブランド「BOSS」の今秋冬コレクションのものである。

ネイビーのジャケットとパンツは、今どきのセットアップの主流である伸縮性とはっ水性に富んだシワになりにくいスーパーストレッチ製。インナーに着たTシャツ、スニーカー、ポケットチーフ、全部合わせて総額18万8100円なり。セレブじゃなきゃ買えない金額でもない。むしろ全然手が届く現実的なお値段である。

今回の大谷翔平選手の私服ファッションの勝因はこれに尽きる。ヒューゴ ボスが大谷翔平選手に、タイドアップしたスーツスタイルや、デニムにジャケットを合わせたジャケパンスタイルなどでなく、今やコロナ禍でスタンダードになった、お手ごろで誰にでも着こなせるニューノーマルなセットアップスタイルにしたことだ。

実際、ヒューゴ ボスには大谷選手が着ていた服を一式買いたいという問い合わせが殺到して、カスタマーセンターがパンク状態になったらしい。

なかには「夫に着せたい」という人も多く、そういう人たちに向けてパーソナルスタイリストたちがユーチューブなどで「ネイビーのセットアップに白Tに白いスニーカー合わせは誰でもすぐまねできます」と、大谷選手のセットアップのコーディネートをこぞって取り上げている。ただし「でもこの格好が爽やかにみえるのは大谷翔平さんが着ているからこそです」と、必ず最後に一言付け加えてますけどもねぇ。

いで あつし
1961年静岡生まれ。コピーライターとしてパルコ、西武などの広告を手掛ける。雑誌「ポパイ」にエディターとして参加。大のアメカジ通として知られライター、コラムニストとしてメンズファッション誌、TV誌、新聞などで執筆。「ビギン」、「MEN’S EX」、JR東海道新幹線グリーン車内誌「ひととき」で連載コラムを持つ。

SUITS OF THE YEAR 2020

新型コロナウイルスの影響で、2020年は初のフルCGで作成した会場でのバーチャル授賞式。
時代の節目に挑み、大切なメッセージを放つ5人を表彰した。

>> 詳細はこちら

SUITS OF THE YEAR 2021
Watch Special 2021
SPIRE
SUITS OF THE YEAR 2021
Watch Special 2021
Instagram