新開発の単気筒エンジン
ジクサーSF250のメカニカル面でのトピックスは、「SOCS(スズキ・オイル・クーリング・システム)」という冷却方式を採用した新開発の単気筒エンジンである。現在は250ccクラスのバイクであっても厳しい排ガス規制をクリアするために水冷方式が主流となっているが、こちらはエンジンオイルによって効果的に冷却を行うというものだ。
エンジンの冷却はもともとエンジンオイルの重要な役割のひとつだが、SOCSは潤滑用とは別に、燃焼室付近を冷却するための独立した通路(オイルジャケット)を燃焼室を取り囲むように設けることで、コンパクト化を図りつつ、その効率を最大限に高めるという構造になっている。
かつてスズキはGSX-Rをはじめとするハイパフォーマンスなマシンに油冷エンジンを数多く採用していたが、そちらはエンジンオイルを燃焼室に吹き付けてエンジンの冷却を行う方式であり、基本的な冷却の狙いは同じものの、構造がまったく異なる。
ジクサーSF250が油冷エンジンを採用したのは絶対性能の追求ではなく、空冷エンジン並みに部品点数を減らしつつ(低コスト)、環境性能とパフォーマンスの両立を図るためだ。
単気筒エンジンを採用したことによる軽量な車体はジクサーSF250の大きなアドバンテージである。車体サイズはそれほどスリムには感じないが、カタログの装備重量は158キログラム。これは2気筒エンジンを採用するライバルモデルと比べて10キログラムほど軽い数値となっている。
