シャオミの2機種は大画面でコストパフォーマンス重視

一方で、2万円台の低価格ながら、コンセプトは国産2機種とはまったく異なるのがソフトバンクが販売する「Redmi Note 9T」と、KDDIがauブランドなどで販売する「Redmi Note 10 JE」だ。いずれも中国の小米(シャオミ)製である。

シャオミの2機種を国産2機種と比べると、機能・性能の充実ぶりが目を引く。2機種とも6.5インチ台のディスプレーを搭載し、背面のメインカメラは約4800万画素の高画素カメラをはじめとした3眼構成。5Gにも対応している。

ソフトバンクから販売されている「Redmi Note 9T」。6.53インチの大画面に3つのカメラを搭載し、5GとFeliCaにも対応する

しかもシャオミの2機種はともに日本向けにFeliCaに対応した。加えてRedmi Note 10 JEは防水・防じん性能も備えている。それでいて2万円台という低価格を実現しているのだから、コストパフォーマンスは非常に高い。

KDDIの「au」「UQ mobile」から販売予定の「Redmi Note 10 JE」。5GとFeliCaに加え、IP68の防水・防じんにも対応。auでの販売価格は2万8765円と非常に安い

高いパフォーマンスと低価格を両立できるのは、スケールメリットにほかならない。調査会社カナリスによるとシャオミは21年4~6月期、世界のスマホの出荷台数シェアで米Apple(アップル)を抜き、韓国サムスン電子に続く世界2位の座を獲得した。

加えてシャオミの2機種はスマホの価格を大きく左右するチップセットの性能を抑えている。Redmi Note 9Tはメディアテック製の「Dimensity 800U」、Redmi Note 10 JEはクアルコム製の「Snapdragon 480 5G」と、いずれも5G対応ではあるが低価格モデル向けだ。国産2機種よりは高性能だが、3万円台のスマホと比べると少し見劣りする。要はメリハリを付けたわけだ。

またシャオミの2機種には、初心者向けの見やすく分かりやすいホーム画面もない。ターゲットはある程度スマホを使いこなしており、大画面やカメラは譲れないが、できるだけ安く新しいスマホを購入したい人になるだろう。

こうして見てみると、一口に2万円台といっても内容やコンセプトにはかなりの違いがある。低価格のスマホが欲しいのであれば、そうした違いを理解した上で端末を選ぶ必要がありそうだ。

佐野正弘
 福島県出身、東北工業大学卒。エンジニアとしてデジタルコンテンツの開発を手がけた後、携帯電話・モバイル専門のライターに転身。現在では業界動向からカルチャーに至るまで、携帯電話に関連した幅広い分野の執筆を手がける。