Men's Fashion

クラシック回帰・レトロ調・「黒金」時計 新作17選

時計

キーワードでみる新作時計2021(1)

2021.7.24

MEN'S EX

コロナ禍でも高級時計市場は元気だ。バーゼルワールドやSIHHといったかつての国際的な時計見本市はなくなったものの、「ウォッチズ&ワンダーズ 2021」のようなメジャーブランドが集うオンラインイベントで、あるいは独自の発表会で、刺激的なニューモデルが多数発表された。3回に分けて、キーワード別に魅力あるモデルを紹介する。初回である今回のキーワードは、クラシックへの原点回帰、レトロなクロノグラフ、ブラック&ゴールド、スケルトンの4つだ。




時計を選んだのはこの面々

(左から)

時計ライター 高木教雄さん 1962年生まれ。’99年からスイスで新作時計発表会取材に取り組み、本誌のほか時計Beginやクロノスなどの専門誌でも執筆。

ファッション・時計ライター 吉田 巌さん M.E.のファッション&時計の原稿を数多く担当する知恵袋。小ぶりでヴィンテージなクロノグラフ時計をこよなく愛する。

MEN’S EX編集長 平澤香苗 編集長に就任し、機械式時計を見比べる機会が急増。最近ではスケルトンやセラミックなどハイテク系の時計にも興味津々。

MEN’S EX時計担当 田上雅人 普段はGSを愛用。休日は主にドライビングウオッチだったが、最近、ヨットに乗る機会が増えたので次狙うはマリンウオッチ!?

Keyword 1 Back to Classics 今こそクラシックへ原点回帰

今年はいつになく、スモールセコンドの新作が多かった。その多くが日付表示を持たず、シンプルに徹し、クラシカルな印象を高めている。さらにここにあるオメガとモンブラン、そして前出のパテック フィリップの「カラトラバ 6119」と「ザ・シチズン」は、いずれも日付なし スモールセコンドの新キャリバーを搭載している。「オメガを除き、香箱につながる二番車あるいはカナ車が分針を、三番車を介した四番車が小秒針を、それぞれ動かす最もシンプルにして、それゆえ故障が少なく高精度が得られる設計を選択している。まさに原点回帰と言えるでしょう。一方フレデリック・コンスタントは、シリコン製の新調速機をクラシカルなモデルに載せ、革新性を際立たせています」(高木さん)

FREDERIQUE CONSTANT(フレデリック・コンスタント)

スリムライン モノリシック マニュファクチュール

機械式時計の心臓部を先進のシリコン技術で革新

外観はクラシカル。しかし6時位置ではテンワ・ひげゼンマイ・アンクルの役割を担うシリコン一体成型のオシレーター(振動子)が、毎秒80振動の超ハイビートを刻む。機械式の新時代を開く意欲作。世界限定810本。自動巻き。径4mm 。SSケース。アリゲーターストラップ。59万4000円。10月発売予定(フレデリック・コンスタント )

OMEGA(オメガ)

デ・ヴィル トレゾア スモールセコンド

懐かしのCal.30を彷彿(ほうふつ)とさせる新クラシカル

スモールセコンドを備えるボンベダイヤルに、古くからのファンは1949年からあるCal.30モデルを思い起こすだろう。自社製Cal.8900をベースに、手巻き&スモセコ化した新キャリバーを搭載。1万5000ガウスの超耐磁を誇る。手巻き。径40mm。SSケース。アリゲーターストラップ。82万5000円。9月発売予定(オメガお客様センター)

MONTBLANC(モンブラン)

モンブラン ヘリテージ ピタゴール スモールセコンド リミテッドエディション 148

1940年代製キャリバーを現代の技術で再現

サンレイとグレインで織り成すボンベダイヤルは、1930年代のミネルバ製クロノが規範。古典のたたずまいに、チラネジ付きテンプがゆったりと毎秒5振動を刻む新型Cal.MB M14.08を潜めた。その仕上げは極めて上質。限定148本。手巻き。径39mm。18KRGケース。アリゲーターストラップ。231万3300円(モンブラン コンタクトセンター)

VACHERON CONSTANTIN(ヴァシュロン・コンスタンタン)

ヒストリーク アメリカン 1921

ヒストリークを代表する100周年の“アメリカン”

傾いたダイヤルが、車のハンドルを握ると正対する。1921年誕生のユニークなドライビングウォッチに、WGケースが新登場。カーフストラップと相まって、若々しい印象を手に入れた。少し荒らしたシルバーダイヤルも、雰囲気がいい。手巻き。径40mm。18KWGケース。カーフストラップ。435万6000円(ヴァシュロン・コンスタンタン)

PIAGET(ピアジェ)

アルティプラノ40mm オートマティック

アシメトリックなレイアウトに遊ぶ

スモールセコンドは5時位置、日付窓は9時位置。意外性のある配置が、6.36mm厚の極薄ウォッチにリズミカルな表情を与える。そのダイヤルをシルキーな風合いを持つオパリンへと一新。気品をより高めた。自動巻き。径40mm。18KWGケース。アリゲーターストラップ。305万8000円。9月発売予定(ピアジェ コンタクトセンター)