客室を飾るのは、アーティスト・イン・レジデンスでの田中沙樹氏の作品。芦ノ湖の遊覧船での風の強さを表現

ポーラ美術館や箱根彫刻の森美術館、岡田美術館など多くの美術館が点在する箱根の仙石原高原にあるアトリエ温泉旅館が「星野リゾート 界 仙石原」だ。開業時にはアート・イン・レジデンスを開催し、国内外12名のアーティストが滞在、創作活動を行った。その時の作品が今も客室や館内に展示されている。

大きな窓やテラスにある露天風呂から仙石原の緑が望める客室では、昼は明るい室内を飾るアート作品を、夜には小田原の作家のガラス作品やランプシェードの光が美しい。

手ぬぐいに染色ペンで色付け。いつの間にか夢中になる楽しさは美術の時間を思い出す

地下のアトリエライブラリーの壁には、色とりどりの顔料や筆、約2000本の色鉛筆がずらりと並ぶ。スケッチブックも置かれており、仙石原の思い出を色鉛筆で描いてみることも。また、毎日2回、型染め作家によるオリジナル手ぬぐいへの絵付け・色付け体験が無料で楽しめる。仙石原の野鳥や草花、箱根の宿場町など6種類のデザインに、布クレヨンなどで色をのせたり、絵を描いたり。いつの間にか夢中になっている自分に気づく。完成後は持ち帰ることができ、思い出にもなる。

大浴場には、大涌谷の源泉をひいた「あつ湯」と、その後に肌を落ち着かさせる「ぬる湯」が並ぶ内湯、四季の眺めが美しい露天風呂がある。あつ湯の酸性値は、レモンと同じぐらいで入浴後はすべすべした肌感に。湯上がり処には冷たい飲み物やアイスキャンデーも用意されている。

各地の「星野リゾート 界」では8月末まで、ふわっとした食感のかき氷用「純氷」で作るご当地かき氷を提供している。「界 仙石原」では、真っ白な氷に色とりどりのシロップをかける「アートかき氷」がこれまた楽しい。