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北川烈・スマートドライブ社長

北川烈・スマートドライブ社長

車やバイクなどから取得する走行データを、外部のさまざまなサービスと連携させ、「移動の進化を後押しする」ことをミッションに掲げるスマートドライブ(東京・千代田)。社長の北川烈氏(32)は慶応義塾普通部出身だ。慶大商学部時代にエンジニアリングに興味を抱き米国に留学。その後進んだ東大大学院で、走行データの分析に可能性を見いだし、起業した。

慶大在学中に海外を経験した。

商学部の3年から労働経済学と金融工学のゼミに入りましたが、その後の2年間はほとんど海外に行っていました。最初に向かったのはゼミでの研究対象だった中国・深圳です。日本の自動車メーカー関連の金属加工工場で2カ月ほど研修をさせてもらいました。深圳で働く人たちのハングリー精神に圧倒され、刺激的な毎日でしたが、大変だったのは食事です。大学からの派遣なのでたいしてお金も要らないだろうとほとんど現金を持参しなかったのですが、工場の食堂が日本人にとってはかなり強烈なところで、別の大学から来た学生は全身にじんましんが出て苦しんでいました。そこで僕は、「工場内のムダを見つけて改善するので給料を現金で日払いにしてほしい」と上の人にかけ合いました。毎日ほんの数百円ではありましたが、工場の外に行ってマシな食事にありつくことができました。研修を終える頃には「帰らないで」と引き留められるほど頼りにされてうれしかったですね。

次に向かったのは米国です。もともと理数系は好きでしたし、教育系ベンチャーで長期インターンをする中で、コンピューターサイエンスやエンジニアリングに興味を持つようになりました。僕が行きたかったマサチューセッツ工科大学(MIT)には当時慶応との交換留学プログラムがなかったので、人づてにMITのメディアラボの教授を紹介してもらい、その研究室で雑用をやらせてもらいながら、もぐりで授業を聞きに行ったりしました。

とはいえ、最初は英語がまったくわからず苦労しました。なんと言っても慶応湘南藤沢高等部時代、僕は一番英語ができない生徒でしたから。MITの寮に住んでいたのですが、初めのうちは食事の時間の雑談についていけず苦痛でした。エンジニアリングなどの授業は数式という共通言語があるので、まだ良かったんですけどね。でも半年たった頃から周囲の話がなんとか理解できるようになりました。印象的だったのは、優秀な学生たちが、自分たちの研究している最先端技術をいかに人類の課題解決に役立てるか、ものすごく真剣に議論していたことです。自分も将来は何か社会的に意義があるビジネスをやってみたい、その種を見つけたいという思いが高まりました。

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