かば焼きのタレは水で洗う 「安い」うなぎでも絶品に

夏の土用の丑(うし)の日にはうなぎを食べて猛暑を乗り切る習慣がある(写真はPIXTA)
夏の土用の丑(うし)の日にはうなぎを食べて猛暑を乗り切る習慣がある(写真はPIXTA)

今年の夏の「土用の丑」の日は7月28日。この日には江戸時代のころより「うなぎ」を食べる習慣がある。今年は東京2020オリンピック・パラリンピック開催中ということもあり、家でテレビ観戦しながら「うな丼」や「うな重」「ひつまぶし」などを楽しもうと考えている人も多いかもしれない。今回は家庭でおいしく食べるためのうなぎの「調理のしかた」と「選び方」の2つの新常識をお届けしよう。

「土用」とは立春、立夏、立秋、立冬の前の約18日間のこと。現在も使われている「子(ね)年生まれ」「丑(うし)年生まれ」「寅(とら)年生まれ」などの「十二支」は、実は年だけではなく日や時刻にも使われる。つまり、「土用丑」の日とは土用の18日の間にある「丑」の日のことである。

夏の土用は猛暑の季節に当たるため、その暑さを利用して衣類や本を虫干ししたり、夏負けを防ぐための風習が行われたりしている。そのうちの1つが土用丑の日にはうなぎを食べるというもの。たしかに、うなぎを開きにしてしょうゆやみりん、酒、砂糖などを混ぜ合わせた濃厚なタレで焼いた「かば焼き」はふっくらと香ばしく、食欲が減退するこの時期でも食べたくなる。

かかっているタレを水道水で洗い流すところがポイント

1つ目のかば焼きの新常識は調理法・温め方だ。

日本最大の料理レシピサービス「クックパッド」によると、「例年土用の丑の日がある7~8月はやはり『うなぎ』というキーワードの検索頻度は高い傾向にあります。組み合わせて検索されているキーワードとしては通年『温め方』がトップです」(クックパッド株式会社広報部の武田春香さん)

一般の人が入手できるうなぎは「かば焼き」の状態になっていることがほとんどだから、多くの人が「うなぎのかば焼きの温め方」を検索しているということ。これは普通に電子レンジなどで温めただけでは「おいしくない」と多くの人が感じているからではないか。実際、私も過去に「レンチン」して、うなぎの皮の部分がゴムのように固くなってしまいショックを受けたことがある。

「7月1日時点で『うなぎ』のレシピ数は3500品以上あります。『うなぎ』×『温め方』のキーワードで検索されたレシピでは64品が該当しており、もっとも人気があり、『殿堂入り』しているのは『ねっちゃんっ』さんの『鰻製造者が教えた☆驚きの!美味しい温め方』です」(同・武田さん)。

同サイトでは、そのレシピをまねしてつくった人の投稿「つくれぽ」が1000件以上あるものを「殿堂入り」と呼び、うなぎのレシピの中ではこの温め方が唯一の殿堂入りである。

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タレを洗い流してから赤ワインで煮る!?