タレを洗い流してから赤ワインで煮る!?

これによると、かば焼きにたっぷりとかかっているタレをしっかりと水道水で洗い流し、酒をふって魚焼きグリルで5分ほど焼くというもの。このレシピをシェアした「ねっちゃんっ」さんによれば、パックのかば焼きのタレはおいしく見せるための「見た目重視」のものでおいしくないため、洗い流すのだそう。

他の「かば焼きの温め方」のレシピを見てもどれも最初に水でタレを洗い流せ、とある。水で洗った後に緑茶やほうじ茶、麦茶などお茶で煮ろ、というのもあった。お茶がうなぎの臭みを消してくれるのだとか。いずれにしても最初に「水で洗う」は新常識のようだ。

私もさっそく殿堂入りの「グリルで焼く」のと「お茶で煮る」を試してみた。使うのは近所のスーパーで買った中国産である。ちなみにお値段は980円。隣に置いてあった国産は1780円である。

まずはパックから取り出してゴシゴシと洗う。最初「タレがもったいない」と少し抵抗があったが、指の腹で強くゴシゴシ洗っても崩れないので、口に入れるとホロリと崩れる専門店のうなぎとは別物と実感。ちょっと手間をかけないとこれはおいしくならないよな、と思った。

手前が洗ってからグリルで焼いたもの、奥がお茶で煮たもの。見た目はあまり変わらず

レシピでは最後に改めて添付のタレをかけろと書いてあったが、まずはそのまま試食。身にタレの味が染みているので、タレなしでじゅうぶんウマい。お茶で煮たほうが少し柔らかめなので、蒸してから焼く関東式が好きな人はお茶煮で、蒸さずに焼く関西式が好きな人はグリルで焼くのがいいかもしれない。

「安いうなぎも極上の山椒(さんしょう)で生まれ変わりますよ」というのはフードビジネスデザイナーの嶋啓祐さん。その道のプロや専門家が信頼性の高い情報を提供する総合情報サイト「オールアバウト」でフレンチ(フランス料理)のガイドを務め、お取り寄せの達人でもある。

嶋さんもやはり家庭でかば焼きを食べるときは「タレを洗う」派という。洗った後、冷蔵庫で一晩寝かせ、翌日取り出して1時間ほどで室温に戻し、食品保存袋に入れ、40度で5分湯煎。その後70度に上げて食べやすい温度に温めるのが嶋さん流。ここまで細かい温度管理はできなくとも、低温で湯煎し、岩塩と高級山椒でいただくとスーパーで売っている安いうなぎも見違える。

また、嶋さんからは常識を覆すこんな食べ方も。

うなぎの赤ワイン煮。チリのカベルネ・ソーヴィニヨンで煮込むのがオススメ

(1)洗って冷蔵庫で一晩寝かせたかば焼きを翌日取り出し、1時間ほどで室温に戻して、食べやすいサイズに切っておく。

(2)無塩バターをゆっくり弱火で溶かし(弱火がポイント)赤ワイン(チリのカベルネ・ソーヴィニヨン)を入れてゆっくり煮詰める。ポルト酒、なければはちみつを少し加える。

(3)少しとろみがついたら食べやすいサイズに切ったうなぎを入れる。同時にカットしたパプリカを入れる。5分ほど弱火で煮込んで出来上がり。

(4)盛り付けた後に胡椒(こしょう)を軽く振って風味をつける。

「合わせるのは若くて強めのピノ・ノワールがオススメです!」と嶋さん。「うなぎといえばかば焼き!」という「常識」にとらわれず、たまにはこんなアレンジを楽しんでみては?

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おいしくなった安価な中国産うなぎ
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