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newme(NIKKEI x C Channel)

「節税策のフル活用で老後に備えよ」税理士・田淵宏明さん

2021/7/30

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たぶち・ひろあき 大阪府立豊中高校を卒業後、関西学院大学経済学部に進学。大学在学中に税理士試験の勉強を開始する。2002年アーンスト・アンド・ヤング日本法人にて、国際税務コンサルティング業務を担当。29歳の時に「ヒロ☆総合会計事務所」を設立。17年「税理士YouTuberチャンネル!!/ヒロ税理士」を立ち上げる。
たぶち・ひろあき 大阪府立豊中高校を卒業後、関西学院大学経済学部に進学。大学在学中に税理士試験の勉強を開始する。2002年アーンスト・アンド・ヤング日本法人にて、国際税務コンサルティング業務を担当。29歳の時に「ヒロ☆総合会計事務所」を設立。17年「税理士YouTuberチャンネル!!/ヒロ税理士」を立ち上げる。

日本経済新聞社(東京・千代田)と女性向け動画配信のC Channel(Cチャンネル、東京・港)が立ち上げた働く女性を応援するメディア「newme」。美容や睡眠、食事といった各分野の専門家を招き、明日のあなたのヒントとなる情報を提供していきます。今回は税理士の田淵宏明さんに、サラリーマンでもできる節税術を聞きました。

第一歩は源泉徴収票を見て、税額を知ること

「まず源泉徴収票を見て、自分が納めている税金を知ることが第一歩です。サラリーマンは会社が税金計算を代理してくれるため、納税や節税の意識が薄いと言われます。源泉徴収票に記載されている支払金額・給与所得控除後の金額・各種所得控除に目を向け、どのように税額が計算されているのかを学びましょう」

「例えば年収600万円の独身の方は社会保険料が給与額面の15%ほど、所得税・住民税の合計が9%ほどとなります。所得税は課税所得によって税率が5~45%まで幅がある超過累進課税という制度があります。お得な年収はどれくらいかとよくたずねられますが、累進課税を考えて年収を抑えるのはおすすめできず、基本的には稼げる内に稼いだ方がいいと考えます」

投資優遇税制を活用し、老後に備える

「ここからはお得な節税術をランキング形式で発表していきます。まずは第5位の少額投資非課税制度(NISA)です。通常、株式や投資信託からの配当や売却益には約20%の税負担が課せられますが、NISA口座にはかかりません。年120万円の非課税投資枠で最長5年間使える『一般NISA』と、年40万円で20年間使える『つみたてNISA』の二つの制度があり、どちらかしか選択できません。つみたてNISAを選んだ場合、年収600万円の方であれば限度となる月3万3000円ほどを投入していいのではないでしょうか。生活スタイルの変化に応じて、掛け金を減らすという手もあります」

「第4位が個人型確定拠出年金(iDeCo=イデコ)です。自助努力で老後に備えてくれという国のメッセージで、運用先を自ら選ぶ必要があります。特徴の一つが、掛け金が控除扱いになることです。例えば、年24万円掛け金を払った場合、年収600万円の方であれば、年2万円ほどの節税効果があります。ただし、60歳まで続けることが前提の制度であるほか、将来退職金を受け取る際に課税される点には注意が必要です」

住宅ローン控除は数十万円規模の節税効果

「第3位が扶養控除です。独身の方でも両親の生活援助などをしていれば、扶養控除を受けられる場合があります。同居している必要はなく、別居でも同一生計であれば可能です。基本は38万円が控除され、親が70歳以上なら48万円となります。年収600万円なら、年3~4万円節税できることになります。ただし、親の年間所得額によっては対象とならないため、事前の確認が必要です」

「第2位が医療費控除です。自分が純粋に負担した医療費を計算して、それに税率を掛けた額を節税できます。年収600万円なら10万円を超えると医療費控除を受けられ、年間の医療費が50万円であれば、年3万6000円ほどの節税効果があります。医療費控除の対象となるのは治療や療養に必要な行為が前提で、ヒゲ脱毛など美容目的だと非対象となります」

「第1位は住宅ローン控除です。借金をして家を買い、その後もローンを抱えていたら控除できる制度です。基本は年末の借入金残高に対して1%を税額控除でき、10~13年間使えます。例えば、2000万円のローンがあれば、年20万円の節税ができるという計算です。1年間は確定申告が必要ですが、2年目以降は年末調整ですみます。繰り上げ返済をしてしまうと控除を受けられなくなるため、金利削減効果と住宅ローン控除額を比較して、選択するとよいでしょう」

ふるさと納税、実質2000円で高額の返礼品

「番外編としておすすめしたい節税術が3つあります。一つがふるさと納税の活用です。厳密には節税ではないのですが、税金を寄付という形に変えて返礼品というおまけをもらえる制度のため、納税者の権利として絶対に使うべきです。年収600万円の方は年7万5000円ほどの枠があり、実質2000円で2万円強の返礼品がもらえます。サラリーマンはワンストップ特例という制度を使うことができ、寄付先が5自治体以内であれば確定申告が不要となります」

「メルカリの活用も有効です。生活に必要な動産の売却益は所得税が非課税という決まりがあるためです。副業もおすすめです。大切なのは節税策をフル活用しつつ、稼ぎを増やすという視点です。投資はするべきではありますがリスクも伴うため、副業やメルカリをしてみるのもよいでしょう」

(この企画は日経とC Channelが共同で展開しています)