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面接で語るべきは、自分独自の工夫と成果の相関(写真はイメージ) =PIXTA

面接で語るべきは、自分独自の工夫と成果の相関(写真はイメージ) =PIXTA

中途採用市場においては、20代から30代前半までは現場第一線のプレイヤーとしての力量が問われ、35歳を超えると、マネジメント候補としての人材補強の意味合いが強まってきます。30代後半以降、年齢階層が上がるごとに採用の壁は確かに高くなりますが、企業が求める人材要件を想定することで対策は講じやすくなります。今回は「成果の再現性」という観点で、転職の成否を分けるポイントを考えてみたいと思います。

間違いだらけの自己PR

転職活動のサポートをしている中で、面接を控えた人に、模擬面接を行うことがあります。実際に口に出してロールプレイングをすると、その人ならではの癖や傾向がはっきり浮かび上がってきます。声の出し方や姿勢、視線など、話し方の癖とは別に、特に自己PRで話す内容には、自分の価値観や仕事への向き合い方がにじみ出るものです。

少し修正するだけで印象が大きく変わるのに、と思ういくつかの例をご紹介します。

・過去の実績自慢パターン

自己PRで自分の強みを伝えようと思うあまり、過去の成功体験ばかり自慢話のように話し過ぎてしまうケースです。高い営業目標の達成経験やメンバー育成やプロジェクトの成功など、確かにその体験の中に強みが含まれているのですが、それがいかにも自分だけの成果であるように語ってしまったり、自分軸で満足度が高いだけの事例だったりすると、やや冷静さが感じられない結果になってしまうかもしれません。できるだけ「客観的事実」や「起承転結」を意識して、筋道立てて話すだけで、印象が大きく変わるかもしれません。

・見当違いなPRパターン

「目指す企業が求めているスキルや能力は何か」を冷静に見極めずに、自分の中での成功体験にフォーカスしてしまうと、洞察力がない人だと見られてしまうことになります。採用の実務経験を求めている会社に対して、キャリアコンサルタントや労務の資格や経験をアピールしても、相手には響きません。「その実績はすごいが、売り込み先はうちではないのでは?」となってしまいかねません。もしも「募集要項で求めているスキルと自分の持っているスキルが合わないが、ぜひ働きたい」という会社の場合は、率直に足りない部分があることを伝えた上で、その不足を、どうやって補っていくつもりなのか、自分なりの考えをしっかり伝えることが必要です。

・「あれもこれも」アピールパターン

「私は〇〇ができます。また、××の経験もたくさんあります。もし必要なら、△△にも興味があるのでやってみたいと思っています」というように、少しでも相手のニーズに合う接点を作ろうとするあまり、「なんでもできるアピール」をしてしまい、逆に信用を失うパターンです。たとえ事実であっても、自分自身の核となるメインキャリアに絞って、エピソードを交えて強みを語ったほうが、安定感は伝わりやすくなると思います。

ほかにも、スキルや実績で自分の強みを語れないときに、苦し紛れに自分の意気込みや姿勢だけを強調するのは、社会人経験が長い人にとってはマイナスのほうが大きいかもしれません。また、自己PRの内容と志望動機や退職理由が一致していないときなども、面接官は違和感を覚えることが多いようです。熟練した面接官ほど、人物像を正しく理解するために矛盾点を深く掘り下げてくるので、終始一貫したメッセージを伝えられるよう、多様な角度で準備しておくことをお勧めします。

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