
このスープの相棒を務めるのが、本場札幌の名門製麺所『西山製麺』の中太縮れ麺。みずみずしさを感じさせる麺肌と、シコッと硬質な歯ごたえが心地良い。この麺に、サイコロ状にカットしたチャーシューや豚ひき肉を絡めながらいただくと、思わずほおが落ちそうになる。
2021年現在、都内はおろか、日本で食べられる味噌ラーメンの最高峰の一角と断じても過言ではない。「これからも、味をどんどん改良・進化させ、お客さんの期待に応えていきたい」と店主。汗をかきながら食らい付き、スタミナをチャージしていただきたい。
次にご紹介するのは、このコラムでは2度目の登場となる『あさひ町内会』だ。開業は2020年の2月。先にご紹介した『三ん寅』の後に続くかのように、都営地下鉄三田線の板橋区役所前駅から徒歩約3分という場所にオープンした。本コラムへの初出は、同店がオープンした直後のタイミング(2020年3月27日)だった。その時は、券売機筆頭メニューである「味噌らーめん」を紹介させていただいた。

『あさひ町内会』という、知らない人が聞けば、それがラーメン店の屋号だとは絶対に分からないだろう奇抜な店名は、店主の本山敬也氏の出身地(北海道石狩市)に実在する町内会の名(あさひ町内会)に由来する。
提供するラーメンは『三ん寅』と同じく、札幌味噌ラーメンの名店『すみれ』の系譜に連なり、王道中の王道の一杯だ。店主の修業先が『すみれ』で、同店で10年以上勤め上げたベテラン(13年勤務)であることも、『三ん寅』と共通する。スペックをここまで同じくする店舗が、ほぼ同時期に誕生したのも、都内でも珍しい。ラーメンマニアからすれば、これ以上の喜びはない。