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2021/7/26
ウナギ1尾の鰻重。ほかに1尾半、1尾と4分の3尾もある

重箱にウナギ1尾がすきまなく詰められている姿が美しい「鰻重/月丁」。

ほかに1尾半が入った「天丸」、1尾と4分の3尾が入った「特上中入れ鰻重」がある。「特上中入れ鰻重」はウナギが重箱におさまりきらず、端を折り返して入れており、蓋(ふた)を押し上げるほどの大迫力だという。

ウナギは「焼き一生」といわれるように、焼きの仕事に技量の差が最もあらわれる。

「日本屈指のウナギ職人をそろえています」という女将の荒井さんの言葉を証明するように、「八十八」のウナギの蒲焼きは表も裏も焼き色が見事に均一。ほれぼれするような仕上がりだ。

箸先にずっしりした重量を感じながら口に運ぶと、上質な脂を感じるねばりのある食感に驚く。

とくに皮と身の間の脂の部分のとろみはうっとりするほど濃厚で、砂糖を使わずにしょうゆ、みりんだけで仕上げているキレのいい辛口のたれと相まって、箸が止まらないおいしさだ。

ウナギばかりでなく、添えられているサンショウやお茶も驚きの連続。

和歌山県のミカン畑に囲まれて育ったサンショウは鮮やかな緑色で、蓋を開けた瞬間にかんきつ類のようなフルーティーな香りが広がる。お茶は、享保年間創業の京都・一保堂謹製のほうじ茶。

たれが多めに欲しい人のために追加のたれが用意されているのも、うれしい心遣いだ。

ユニークなのが、口直し用のハチミツがけレモンが添えられていること。

「ウナギを堪能された後に、お口をさっぱりとリフレッシュしてお帰りいただきたいと思い、考案しました」(荒井さん)

「八十八」の人気の理由は、こうしたウナギ料理のクオリティーの高さだけではない。

通常、ウナギ専門店ではウナギ料理の職人が一品料理も作っていることが多いが、「八十八」ではウナギ職人とは別に専門の一流の和食職人をぜいたくにも多数そろえている。

その和食職人の腕を存分に味わえるのが、季節の特選素材を使用した「八十八会席」コースや「八十八御膳料理」だ。

コースの最初の「膳彩」。季節感あふれる料理はすべて同店の和食職人による手作り

コース最初のひと品「膳彩」は、箸をつけるのがためらわれるほどの圧倒的な美しさ。

「クルマエビ、イクラの大根みぞれ和(あ)え」「ソラマメの茶巾(ちゃきん)」「姫竹の煮物」「蕗(フキ)の西京焼き」「杏(アンズ)とつぶあんの茶巾」といった季節感あふれる料理は、すべてが手作り。一流割烹ならではの、繊細で変化に富んだ味わいを堪能できる。

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大人のレストランガイド