ミドルシニアは「1年目から3割バッター」目指せ

【ニューベリービジネスコンサルティングのエグゼクティブ・コンサルタントの丸誠一郎さん】

――ミドルシニア層の転職志向は最近どのように変化していますか。

「コロナ禍の影響で、ミドルシニア層の転職活動は2020年の下半期以降、非常に活発になっています。デジタル化をはじめ、最近の産業界で目立つ経営手法の変化も、ミドルシニア層の転職を後押ししています。例えば、金融業界は『人材大移動』の様相を見せており、メガバンクだけで40~50代が5万人ほど、転職活動をしているといわれています」

「40代からセカンドキャリアを考えるように指導する企業も出ているほか、副業やビジネススクールへの通学を認めるなど、『人生100年時代』へ向けた環境が整いつつあることもミドルの転職を後押ししています」

――ミドルシニア層が転職に臨むうえで必要な心構えは。

「最も重要なのは、将来の目標を明確に持つことです。転職先でどのような仕事に取り組んで業績に貢献したいかを、具体的に考えて言葉にしてください。最もこわいのは、自分の進路を考えていないことです」

ニューベリービジネスコンサルティングのエグゼクティブ・コンサルタントの丸誠一郎さん

「将来の目標を持ったうえで、職務経歴書の役割を理解することがポイントです。職務経歴書は、自分をアピールするカタログのようなもの。自慢話を羅列するのではなく、直近5年間にどのような仕事に関わり、どう利益を生み出してきたのかを見せるよう意識してください。もう1つの大切なポイントは、経歴を列挙するだけではなく『転職に向けて準備が万端だ』とアピールすることです。アピールするものがない人は、今からでもビジネススクールに通ってから転職活動に臨んだほうが好条件で転職できるでしょう」

――ミドルシニア層の職務経歴書で、高く評価されるためのポイントは。

「『ここ5年間で自分は何を得たか』『会社と社会にどの程度貢献したか』『転職先の会社で何をしたいか』、この3点を最初に8行で書いてください。特定分野のパイオニア的存在であるなど、実績と自分の強みを分かりやすく示している人は評価が高くなります。志望企業や希望するポジションに関わる経歴があれば、その部分は詳しく書いてアピールしましょう。志望先に合わせて情報を取捨選択していくことが、最も大切です」

「過去の栄光に終始するのは避けましょう。『社内で何回表彰された』いうように、特定の組織内の話をしても、相手には評価されません。『会社でどういったことに取り組んできたか』を詳細に書いたほうがプラスになります」

――ミドルシニア層がアピールすべきポイントで、中堅層や若手と大きく違う点は何でしょうか。

「『即戦力』として力を発揮できるかどうかということです。ミドルシニアは、会社の経営幹部としての活躍を期待されています。5年後に花開くのでは遅く、『1年目から3割バッターになれるかどうか』が採用の判断基準になります。そのためには『何でもできます』というアピールは逆効果。どの分野で強みを持っているスペシャリストなのかということを明確に示してください」

川口和音
 エン エージェント キャリアパートナーグループ マネージャー。2016年にエン・ジャパン入社。20~30代前半の若手人材の転職支援に関わる。19年からキャリアパートナー部門のマネージャー。自らも2回の転職経験を持つ。
丸誠一郎
 ニューベリービジネスコンサルティング エグゼクティブ・コンサルタント。1978年大和証券入社。本社債券部を経て87年からアメリカ大和証券。94年クレディスイス証券会社に移籍。2004年ニューベリービジネスコンサルティングを設立。HRコンサル業務、人材紹介などを手がける。

(日経転職版・編集部 木村茉莉子)

(詳細記事は日経転職版で)

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