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ワールドカップの経験が生きた帝国ホテルのアイスバー

帝国ホテルのアイスバー。ホテル内ショップ「ガルガンチュワ」で単品のみ各600円、7月20日よりオンラインショップと通販で4種各2個のセットのみ5300円で販売

ジェラート・ワールドカップ準優勝により、これから日本のジェラートをさらにもり立てようという機運が高まったところに、新型コロナウイルスが水を差した。

そんな中でもこの夏、準優勝メンバーのひとり、シェフパティシエの西川広三(ひろみ)さんが1年以上の試作期間をへて、デザート感覚で食べられるアイスバー4種類の商品化にこぎ着けたのは、ちょっとした朗報。帝国ホテルの協力工場でつくられるという。

いわゆるジェラートそのものではないが、ジェラート・ワールドカップでの経験が生かされている。「もともと東京五輪・パラリンピックに合わせて試作していましたが、オリンピック延期で逆に研究する時間が十分に取れました。ワールドカップ出場で研究したレシピの配合も生かせました」と西川さんは言う。

ラズベリーシャーベット&バニラアイスにピーチとストロベリーの果肉がトッピングされている「ラズベリーバニラ」は、帝国ホテル名物の桃のデザート「ピーチメルバ」をアレンジしたもの。4種類ともに空気含有量を手作りジェラートよりやや増やし、冷凍庫から出してすぐに食べられるよう工夫してある。

西川さんはあらためてジェラート・ワールドカップをふり返り、「イタリアの大会では、ジェラート職人に対するリスペクトを肌で感じました。日本やアジアはこれから、ジェラートについて(知識や技能を)深めていく段階です」と語る。

イタリア発祥のジェラートは、日本の豊かな食材と日本人の研究熱心さによって、この国でさらに進化していくにちがいない。

(イタリア食文化文筆・翻訳家 中村浩子)

中村 浩子
イタリア食文化文筆・翻訳家。東京外国語大学イタリア語学科卒。イタリアの新聞社『ラ・レプブリカ』極東支局長助手をへて、文筆・翻訳へ。著書に『イタリア薬膳ごはん』(共著)『「イタリア郷土料理」美味紀行』、訳書に『イタリア料理大全 厨房の学とよい食の術』(共訳)『スローフード・バイブル』。

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