RPGレストランの今後

浅見氏は今回のイベントについてこう説明する。「VRは体験したことのない人も多く、『分かる、分かる』といった共通感覚を得にくい。だからこそ、多くの人になじみのありそうなRPGという世界観を表現し、そこで出てくる料理を食べてみたいという願望をかなえようとした」。3分でチケットが完売したのも「想定以上の反響」(浅見氏)で、手応えを感じているとのこと。

VRによって未知の食材を具体的に想像しながら味わえ、食のエンタメ化という点では可能性を感じさせる。RPGに限らず、恐竜の世界、あるいはキャラクターとの食事など、さまざまな世界観と掛け合わせてVRコンテンツを広げていけるだろう。

ただ、リアルのレストラン空間の作り込みやスタッフの役作りも世界観を引き立たせる水準が要求されるため、既存の飲食店が取り組むには少しハードルが高そうだ。VR機材のトラブルにもすぐ対処できるよう、来店者を入れる前のシミュレーションを何度も重ねておく必要もある。

今後はRPGレストランの定期開催も視野に入れる。さらに、VRを活用したイベント設計のノウハウを食分野以外にも広げていき、VRサウナやVR演劇などにもチャレンジしていくという。

(日経クロストレンド 田村葉、写真提供 Psychic VR Lab)

[日経クロストレンド 2021年7月6日の記事を再構成]

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