プラークを落とす歯磨きのポイント
さて、あなたの歯の磨き方はどうでしょうか。プラークが付きやすい場所も丁寧に磨けているでしょうか。
「歯磨き粉をたっぷりつけてゴシゴシ力任せに磨くという、子どもの頃に身につけた方法を漫然と続けているとしたら、危険信号です。あらためて、これから先、ずっと続けていく正しい習慣として歯磨きの方法をおさらいしましょう」(水口さん)。
ポイントは大きく次の4つです。
1 強くゴシゴシしない
強すぎる力で磨くと、歯ブラシの毛先が広がってプラークに到達せず、効果的に落とせないだけでなく、歯茎下がりの原因になったり、歯が削られることもあります。歯ブラシは鉛筆を持つときのような持ち方で、毛先が開かない程度の軽い力で小刻みに磨きましょう。
歯と歯茎の境目は45度の角度に歯ブラシを当てる
2 デンタルフロス、歯間ブラシを活用する
中高年世代は、歯と歯の隙間にプラークがたまりやすい傾向があります。しかし、歯の隙間は歯ブラシの毛先が届きにくく、歯ブラシだけではプラークを取り除けません。
1日1回は、デンタルフロスや歯間ブラシで丁寧にケアしましょう。「歯と歯の隙間が狭い部分はデンタルフロス、広い部分には歯間ブラシが使いやすく、プラークを落としやすいです」(水口さん)。
3 磨き残しが多い部分を念入りに
磨き残しやすく、プラークがたまりやすいのは、主に(1)歯間部、(2)歯と歯茎の境目、(3)歯と歯が重なる部分、(4)抜けた歯の周り、(5)奥歯のかみ合わせ部分、(6)被せものの周り。「歯の形や歯並び、かみ合わせには個人差があり、人それぞれ、磨き残しやすい箇所は異なります。歯科を受診したときに歯科衛生士さんに自分の歯のプラークのたまりやすい箇所はどこか、その部分の歯磨きのコツ、お薦めのデンタルフロスや歯間ブラシを教えてもらうと、さらに効果的にケアできるでしょう」(水口さん)。
4 3カ月~半年に1回は歯科を受診し、歯石を取り除いてもらう
毎日、歯磨きをしてプラーク除去をしていても、石のようにこびりつく硬い歯石はたまっていきます。歯石は歯科でしか取り除くことができません。歯石があるとその上にもプラークが付きやすくなってしまいます。特に、下の前歯の内側、上の奥歯の外側は、唾液の出口があり、唾液中のカルシウムの影響で歯石がたまりやすい部分。「3カ月から半年に1回は歯科を受診し、歯石を取り除いてもらいましょう」(水口さん)。
歯石がたまりやすい場所

[日経Gooday2021年6月21日付記事を再構成]