不活発な人は、活動的な人に比べてコロナの死亡リスクが2.5倍

全体の8.6%が入院し、2.4%がICUに入院し、1.6%が死亡していました。新型コロナウイルス感染症の重症化の危険因子であることが示されている要因や、年齢、性別、人種などを考慮した上で分析したところ、不活発な人は、活動的な人に比べ、重症化しやすいことが明らかになりました(表1)。

表1 新型コロナウイルス感染症の重症化の危険因子

(データ出典:Sallis R, et al. Br J Sports Med. 2021;0:1-8.)

日常的にガイドラインの推奨レベルを満たす運動をしている人々を参照群とすると、不活発な人々は、新型コロナウイルスに感染した場合に、入院するリスクが2.26倍、ICUに入院するリスクが1.73倍、そして死亡するリスクが2.49倍になっていました。多少は活動的な人々にも、不活発な人々ほどではないものの、これらの重症化リスクの上昇が認められました。

著者らが検討した要因の中で、重症化との関係が最も強かったのは年齢でした。60歳未満の人に比べ、70代の人の死亡リスクは約10倍、80歳以上では約27倍でした。男性、肥満者、糖尿病患者にも重症化リスクの上昇が見られました。運動不足によるリスクの大きさは、今回検討された種々の要因の中では、おおよそ年齢に次ぐレベルになっていました。

ガイドラインの推奨に沿った日常的な運動は、新型コロナウイルス感染症の重症化リスクの低下と強力に関係していました。また、1週間に中強度~高強度の運動を行う時間が11~149分であっても、不活発な人に比べると、重症化リスクは低くなることも示唆されました。この結果は、コロナ禍であっても、十分な感染予防を行いつつ、日常的に運動することの重要性を示しています。

論文は、2021年4月13日付のBr J Sports Med誌電子版に掲載されています[注3]

[注3]Sallis R, et al. Br J Sports Med. 2021;0:1-8. doi:10.1136/bjsports-2021-104080.

[日経Gooday2021年6月30日付記事を再構成]

大西淳子
医学ジャーナリスト。筑波大学(第二学群・生物学類・医生物学専攻)卒、同大学大学院博士課程(生物科学研究科・生物物理化学専攻)修了。理学博士。公益財団法人エイズ予防財団のリサーチ・レジデントを経てフリーライター、現在に至る。研究者や医療従事者向けの専門的な記事から、科学や健康に関する一般向けの読み物まで、幅広く執筆。

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