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早くからDX化に踏み切り、ビジネスモデルを転換した(写真はイメージ=PIXTA)

早くからDX化に踏み切り、ビジネスモデルを転換した(写真はイメージ=PIXTA)

大阪市に本社がある井上特殊鋼という会社をご存じだろうか。創業100年を迎えた未上場の金属加工関連の商社だが、国内最大級の社員口コミサイト「OpenWork(オープンワーク)」で話題の会社になっている。社員が20代のうちから成長できる環境が整っている企業をランク付けした同サイトの「20代成長環境ランキング」(7月9日時点)で上位をコンサルティング会社が占める中、7位にランクインした。実際にこの関西企業に優秀な学生やビジネスパーソンが続々入社している。その理由を探った。

データはオープンワーク提供

データはオープンワーク提供

入社2年目で年収700万円も

「1年目から裁量権を与えられ、顧客と接することができるため、対人スキルが上がる」「2年目でも結果を残せば、年収は700万円に届く」「年の離れた先輩とも気軽に情報を交換し、共有の文化は圧倒的」――。オープンワークに投稿された井上特殊鋼に関するコメントを見ると、驚くほど前向きだ。

オープンワークの登録者数は約430万人。対象企業数は15万社を超え、就職や転職を考える人が一度は目を通す口コミサイトになっている。社員や出身者が本音をそのまま投稿しているため、有名企業に対してでも辛口のコメントが少なくない。

有名大学の新卒中心にコンサル人気は非常に高い。「20代成長環境ランキング」でも上位10位のうち9社をコンサルが占めた。それだけに「この井上特殊鋼とはどんな会社なのか」(早稲田大学の3年生の男子学生)と話題になったのだ。

オープンワークの「総合評価ランキング」(7月9日時点)でも井上特殊鋼は14位に入った。1位のベイン・アンド・カンパニー・ジャパンなどコンサルや4位のグーグルなどカタカナ企業がズラリと並ぶなか、唯一の重厚長大系の銘柄だ。

評価は5点満点の4.58。待遇面の満足度は4.6、社員の士気は4.8など8項目とも高い評価を得ている。中でも20代成長環境は4.9と最も高い。若手人材育成で評価を得ている井上特殊鋼とはどんな会社なのか。

「うちは1920年に創業した特殊鋼の卸業者だった。しかし、今は『加工製品商社』として独自の領域を確立している。オープンワークでそんな高い評価を受けているなんて知らなかった」。井上寿一社長(62)は笑う。創業家出身の3代目だ。もともと鉄鋼や機械産業が盛んだった阪神工業地帯にある金属卸だったわけだ。

鉄鋼業界は70年代以降の相次ぐ石油危機や90年代のバブル崩壊で行き詰まった。90年代後半にはインターネットが台頭し、「卸は不要の時代が来る」と言われた。経営環境が厳しくなる中、井上社長は次々と経営改革を推し進めた。

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