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転職回数を重ねると、採用側のまなざしも変わってくる(写真はイメージ) =PIXTA

転職回数を重ねると、採用側のまなざしも変わってくる(写真はイメージ) =PIXTA

皆さんは転職経験がありますか。経験済みの人は、何度の転職を経験しているでしょう。社会人となって以来、これまで働いてきた所属企業の状態、縁のあった職務、あるいはその時々の上司や同僚との関係性など、様々な理由や背景により、皆さんそれぞれに転職の有無、転職の回数が決まってきたことでしょう。そして、まさにその転職回数自体が次の転職に影響を及ぼすことは紛れもない事実です。これまで経験した転職回数(次が何度目の転職になるか)ごとに異なる転職活動への向き合い方、転職活動のしかたを考えてみましょう。

ミドルやシニアの皆さんにとって、転職2~3回目は最も戦いやすく、勝負のしどころとなるタイミングです。これまでの転職で、異なる環境に身を投じ、そこで新たな人間関係を構築したり、前職でのルール,や慣習とはまた異なる企業・組織でのやり方に適応、順応した経験を持つようになるのは、このあたりの時期。このことが外部から新たな人(特に幹部)を迎えようという企業にとって、一つの安心材料となります。「我が社に来ても、新しい環境にキャッチアップしてくれるだろう」と考えるわけです。

例えば新卒で入社した大手企業から2社目に中堅・中小企業へと移り、そこで大手と中小の違いを実体験しているようなケース。次に移りたい先が大手なのか、中小なのかは、本人の志向や適性によりますが、いずれにしても双方の良い部分と良くない部分の両方を実際に知っているということは、もちろん当人にとって重要な経験であり、実はそれ以上に採用する側の企業にとって「現実を知ってくれている人」という意味でありがたいことなのです。

転職2~3回目の候補者に対する企業の期待値は、「これまでの経験で自分の強み・弱みを自覚し、今後どのようなキャリアを歩みたいかについて明確な展望を持っているであろう」というものです。本人の考えと、自社が求めたいことが合致しているか否か。そこをしっかり見極めようと思っているのが、転職2~3回目の人と会おうとしている企業の胸の内です。

だから、そこがぴたっと一致すれば、まさに今回求めていた人だとなるわけです。この部分で企業側が好意的なバイアスを(勝手に)持っていてくれるのが転職2~3回目という経歴なのです。結果的に本人にとっては一種のアドバンテージが生まれる状況となります。

逆に、実際に会って、どうやらこの人はまだ方向性が定まらず、自己認識もできていないようだと、採用側が判断すると、その時点でガッカリ。「これまでの転職経験が生きていないようだ。これでは当社に来ても難しそうだな」と、見切られてしまいやすくなります。

転職2~3回目のミドルやシニアは、企業側からして「キャリアの集大成を迎えているに違いない」と映る人材です。だからこそ、そこがしっかり確立されているか否か次第で、今回の転職の行方が天と地に分かれるでしょう。これまでの転職経験をしっかり棚卸ししたうえで、自分が適する職務・職場、かかわりたいビジネスについて明確化し、次の転職先を自分の社会人人生のメインステージとなるよう、転職先を選ぶ態度が肝心です。

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