2021/9/12
今回の試乗車は上級グレードの「3LT」。インテリアにはスエード調表皮のトリムやカーボンファイバーの装飾パネル、コンペティションバケットシートなどが用いられている。
インフォテインメントシステム「シボレーMyLink」には、「PDR(パフォーマンスデータレコーダー)」と呼ばれるデータロガー/ドライブレコーダー機能が搭載される。
左右席間に位置する収納スペースには、携帯端末のワイヤレスチャージング機能が備わる。
ザードランプのスイッチは、オーバーヘッドコンソールに配置されている。
新型「コルベット」では、フロント&リアカーブビューパーキングカメラやデジタルルームミラーが標準装備となる。

グランドツアラーとしても素質は十分

悪天候のおかげで激しい渋滞にも巻き込まれたが、車内環境は至って平穏だった。Bluetoothの接続レスポンスはすこぶるよく、あっという間に手持ちのスマホがリンクされ、BOSEのプレミアムオーディオで音楽を楽しめる。このあたりは、さすがGAFAの国のクルマだ。

と、変なところで感心させられつつも、ちょっと気になるところもあった。自製にして初出の8段DCTのマナーは、ATモードでも自然吸気の6.2リッターV8 OHV「LT2」の出力特性を滑らかにカバーするなど総じてかなりよくできているが、10km/h前後のごくごく低速域を保持し続けるのが難しい。6km/h程度でクリープ走行するためのアイドルアップ制御と、ドライバーのアクセル操作によるわずかなスロットル開度とが干渉し合って、回転が揺らいでいるような印象だ。微細なアウトプットもリジッドに反映してしまうDCTのクセがクルマを揺する。“重箱の隅”的な話だが、日本の場合は使う場面も少なくない領域ゆえ、リファインを期待したいところだ。

一方で、発進から穏やかに加減速を繰り返す“普段乗り”的なシーンでは、速度コントロールのしやすさやブレーキバランスのよさなど、文句のつけようがない。その領域では、搭載されるLT2のマナーは至って上質。回転の粒立ちなどは先代にも増して滑らかになった感がある。音量に関しては、路面からのスプラッシュノイズがひどかったためなんとも言えないが、音質についてはアメリカンV8らしい低く落ち着いたものだった。

加えて乗り心地のよさも見事なもので、日本の道路によくある目地段差の乗り越えや、凹凸のいなしなどは、今日のスーパースポーツの水準からいっても最高レベルにある。キャビンに手荷物を置くスペースがないのは痛いが、それを補う前後の大きなラゲッジスペースは使いでもよく、カバンの形状や熱害にさえ気を使えば、長旅にも余裕をもって対応できるだろう。このあたりはGT的なユーティリティーを大切にしてきたコルベットの伝統をしっかり受け継いでいる。

ボディーカラーはクーペとコンバーチブルを合わせ全7種類。「3LT」ではカーボン製のスポイラーやドアミラーカバー、切削加工のアルミホイール、赤もしくは黄のカラードブレーキキャリパーなどが外装の特徴となる。
センターコンソールに備わるシフトセレクター。C8には、これも“コルベット史上初”となるGM自製の8段デュアルクラッチ式ATが搭載される。
トランクルームの容量はフロント/リア合計で356.8リッター(米国仕様)。フロントトランクは深さがあり、カメラマンのカメラバッグも積むことができた。
メーターはフルデジタルで、走行モードに応じて表示が変化(写真は「トラック」モード時)。またヘッドアップディスプレイも標準装備される。
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エンジンを回すほどに盛り上がる