「ドレープ、タック」使いで立体感を 体形もカムフラージュ

1枚布で仕立てたような見え具合のワンピースは、生地の風合いや質感を印象づけやすいウエアです。布をたるませるドレープや布をつまみ縫いするタックなどで、表情を引き出すディテールが味わいを深くします。

ドレープやタックのおかげでおなか周りもノーストレス

全体を同じ布地で仕立てたワンピースは、統一感が高まる半面、フラットに見えやすくもなります。布を均一に張らないで、ところどころにドレープを配したワンピースは優美なムードを帯びます。ボディーラインをほんのりぼかしてくれるところも大人女性には頼もしく映るディテールです。

ウエスト位置で無造作っぽく絞りや結び目をこしらえて、自然に寄せたギャザーが目を引きます。布の陰影が生まれるおかげで、着やせメリットも引き出せました。

タック使いのおかげでボディーラインが響かないのが魅力

二の腕周りが気になりがちなノースリーブワンピースでも、首から胸元までのデコルテ周りに動きがあれば、視線が腕から離れます。まるでスカーフを巻いたかのようなフォルムがノースリーブの目立ちすぎを防いでくれました。

全体的にすっきりとしたタイトラインですが、部分的にタックで布をつまむと、ひだが生まれ、布の風合いが際立ちます。胸周り、腰周りなど、気になる部分に陰影が生まれるので、ボディーラインをぼかしてもらえる仕掛けです。

フレアほどは広がらないので、甘く見えすぎる心配は無用です。タイトシルエットほどにはピッタリしないので、ニュアンスの宿る着映えを、着心地よく楽しめます。

リラックスした着心地と優美なシルエットが両立

襟元のボタンをはずすと、前身頃のフレアがいっそう立体的に映る仕掛けのワンピース(写真はボタンをはずした状態)は、ダイナミックな装いに導きます。起伏が豊かになると、かえってボディーがほっそり映るという「引き算効果」が生まれます。ナチュラルに遊ばせた布の動きは、気取らない「エフォートレス」な気分を漂わせました。

縦に流れ落ちるフリルのようなディテールは、優美なシルエットをかなえます。一見、重ね着をしているかのようにも見えますが、実際はワンピース。ゆったりしたシルエットが体の輪郭をカムフラージュする効果を発揮。シャープなVネックと穏やかな縦長フリルのコントラストがさえています。

「袖・胸元・ドレープ」で女性の多面的な美しさを表現

デザイナーの瀬田一郎氏が1999年に立ち上げた「セタイチロウ」は、しなやかさやナチュラル感をエレガントに引き立てる装いで支持を得ています。2021-22年秋冬コレクションではロマンチック感や強さなど、女性の多面的な美しさにフォーカス。官能美と着心地を兼ね備えたワンピースを打ち出しています。

1枚で過ごせるのに加え、重ね着や小物使いで自在にアレンジのきくワンピースはシーズンを超えた着回しに向く、使い勝手に優れたアイテム。現代のワンピースは、ワンピースの下にパンツを重ねたり、足元をスニーカーで合わせたりと、カジュアル使いしやすいシーンフリー対応が進んでいます。「袖コンシャス」「襟元」「ドレープ使い」などを上手に使い分けて、スタイリングの幅を広げてみませんか。

(画像協力)
セタイチロウ
https://setaichiro.com/
宮田理江
ファッションジャーナリスト、ファッションディレクター。多彩なメディアでランウェイリポートからトレンド情報、スタイリング指南などを発信。バイヤー、プレスなど業界経験を生かした、「買う側・着る側の気持ち」に目配りした解説が好評。自らのテレビ通販ブランドもプロデュース。セミナーやイベント出演も多い。 著書に「おしゃれの近道」「もっとおしゃれの近道」(ともに、学研プラス)がある。