同書は、見開きの左側にポイントをまとめた図版、右側に解説文というスタイルで、専門知識がない人にも読みやすい。DX(デジタル・トランスフォーメーション)やIoT(モノのインターネット)、AI(人工知能)などの先端テクノロジーが実際のビジネスの現場でどう役に立つのか、他の技術とどう関連しているのかが体系的に整理されているのも特徴だ。

「最初はぼんやりとしか理解できなくても、一度読んでいれば現場で仕事を始めたときに『あ、あそこに書いてあった』と思い出せる。そういう辞書的な使い方もできます。技術の相互のつながりが丁寧に書かれている点もいいですね。これからは特定の技術について詳しいだけでなく、いかに異なる技術を組み合わせて新しいサービス、価値を生み出していけるかが問われますから、つながりを知っておくことはとても大事です」

図版を未掲載分も合わせて143枚、ロイヤルティーフリーでダウンロードすることができる点も、床次さんがイチオシする理由だ。

「現場に出てお客様に技術的なことを説明する際にも役立ちます。専門知識がない人にどうやって説明すればいいのか、そのコツがつかめますし、プレゼン資料を作るときに参考にすることもできます」

「いかに異なる技術を組み合わせて新しいサービス、価値を生み出していけるかが問われる」と語る床次さん

おすすめの2冊目は『ITエンジニアのための【業務知識】がわかる本』(翔泳社)。こちらは、財務会計や販売管理、人事管理などITエンジニアがシステム開発をする上で知っておきたい業務知識を解説した本だ。床次さんは「ITの知識、業務知識それぞれを解説する書籍は数多あるが、両方をつなげて書いている本は貴重」と評価する。

「当社のパーパスにある『まだ見ぬ未来』はお客様と共に作るもの。そのためには多くのお客様に共通する業務の概要を知ってこくことは必須です。初心者には難しい内容ですが、これから関わっていく仕事の全体像を知って心の準備をしてもらいたい」

クリエーティブな人の頭の中を知れる本

3冊目は『デザイン思考が世界を変える イノベーションを導く新しい考え方』(早川書房)。隠れたニーズを探り出し、飛躍的発想で生活を豊かにする「デザイン思考」の元祖とも言える米デザインコンサルティング会社IDEO会長のティム・ブラウン氏の著書だ。アクセンチュアも19年に世界的な広告会社「Droga5(ドロガファイブ)」を買収したり、美術系大学からの採用を増やしたりと、近年、デザインやクリエーティブ分野にも力を入れている。

「最近は社内の多くのプロジェクトでデザイン思考を取り入れています。新人にはそこに違和感なくなじんでいってもらうためにも、この本を薦めています。私自身も含めコンサルタントはどちらかというと論理や分析といった左脳系の思考を得意とする人が多いのですが、この本では右脳系のクリエーティブな人たちの頭の中をのぞくことができる。『なるほど、そういう発想から(ネット動画配信サービスの)ネットフリックスやツイッターのサービスが生まれたのか』と感動しますし、納得できる。もちろん本を読んだからといって必ずしも明日からクリエーティブな発想ができるようになるわけではありませんが、視点を変えるきっかけになるはずです」

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「働き方も自分でデザイン」週4日勤務
ビジネス書などの書評を紹介