とろろと卵がのった担々麺。お月見のようなかわいらしい見た目だ

生産地名入り、とんでもなく長い名前の担々麺

東京駅構内の「グランスタ東京」内にある中華料理「47china(よんななちゃいな)」では、2020年12月から「有機金胡麻(ゴマ)と岩手県遠野市産 長芋のとろ玉坦々麺 群馬県産 ハニーポークの肉味噌添え」(単品1480円、セットは400円プラス)というメニューを提供している。「47都道府県の和の厳選素材をふんだんに使用した新感覚中華」がコンセプトの同店では、メニュー名で生産地が分かるようにしているので、どれもこのように長い。

温かい汁あり坦々麺の上には、とろろと卵黄がまるでお月見のようにかわいらしくのっている。とろろそばなどではよく見かける取り合わせだが、坦々麺ではありそうでなかった斬新な組み合わせだ。実際に味わってみると、とろろが見た目以上に満腹感があり、とろとろした食感も楽しかった。

店長の加藤典彦氏は、「風味の強い金ゴマを厳選使用しています。すり鉢でつぶし、熱したゴマ油をかけて、自家製芝麻醤を作るところから仕込んでいる自信作です。料理長がゴマとナガイモの風味の相性が良い点に着目して考案しました。とろろと卵黄で辛味がマイルドになり、女性客に人気です」とのこと。当初は冬季限定メニューだったが、人気なので通年メニューに昇格した。

麺も小麦の産地にこだわり、北海道産の「夢ちから」と香川県産の「さぬきの夢2009」をバランス良くブレンドした小麦からオリジナルの「よんなな麺」を用意。細くてのどごしが良いので、とろろとのからみも良く、小麦の香りも楽しめ、それがゴマやナガイモの風味に絶妙にマッチしている。

冷たい坦々麺も夏野菜たっぷりでヘルシー

同じ「よんなな麺」を使った冷たい坦々麺「京都産『京の豆乳』使用 有機金胡麻のこく旨 冷やし豆乳坦々麺 群馬県産ハニーポークの肉味噌添え」(単品1380円、セットは400円プラス)も4月末から提供している。豆乳や夏野菜をたっぷり使っているので、こちらもヘルシーな一品として女性客に人気だ。

「4種類の豆乳を取り寄せて試作してみましたが、京都の豆乳で作ったものが一番、金ゴマの風味に合いました」と山本敏弘料理長。温かい坦々麺よりも豆乳が加わることで軽い味わいになり、揚げたナスやカボチャ、トマトなどの彩り夏野菜のほかに、レタスなどの生野菜もたっぷり盛られているので、ゴマだれのサラダ麺を食べているような感覚にも似ている。甘めの肉みそがうま味のアクセントになっており、国産の玄米黒酢も使用しているので後味がさっぱりしている。

坦々麺の世界は年々広がりを見せる。汁なしか、汁ありか、温かい麺か、冷たい麺か、何をトッピングするか、激辛か、シビレ系かなどにより、さまざまなおいしさを堪能できるようになってきている。ぜひこの機会にいろいろなタイプの坦々麺を食べ比べしてみてはいかがだろう。

(フードライター 古滝直実)

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