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著者の村上憲郎氏はグーグル米国本社兼日本法人社長などを歴任した

著者の村上憲郎氏はグーグル米国本社兼日本法人社長などを歴任した

新型コロナウイルスの収束は見えてこず、東京都には4度目の緊急事態宣言が発出された。先行き不透明な状況が続く一方で先端技術の展開は急ピッチで進んでおり、人工知能(AI)などの実用化が加速中だ。ポストコロナ期の日本は、今までのビジネス常識が通用しない時代になるかもしれない。グーグル米本社副社長などを歴任した村上憲郎・村上憲郎事務所代表は『クオンタム思考』(日経BP)を提唱する。最善の対策は何か、そもそも正解があるかどうかも分からない問題に直面したときに「クオンタム=量子」をキーワードとして有効に対処するビジネス思考法だ。どんな思考法なのか、村上氏に話を聞いた。

◇   ◇   ◇

――新型コロナは変異を重ねています。ワクチン接種の進展で収束しても、ビジネス環境は以前の通りに戻らないかもしれません。

「正解がどこにもない現実と向き合わざるを得なくなっています。米国などの先駆的な手法を取り入れて成果を上げてきた日本型の成功パターンは今後通用しません。そもそも1990年以降の停滞から脱却できないのは過去の成功体験にとらわれているからです。今回のコロナ禍でさらにハッキリしました」

夢物語から生まれたグーグルマップ

――日本自体が今や課題先進国です。本書では日常感覚の世界を超える考え方が欠かせないと強調しています。これまでの経験を応用して積み重ねてゴールに達成するのではなく、理想とする状況から逆算して技術などを開発していこうとする思考法です。

「グーグル米国本社などで、夢物語のようなアイデアを実現させた若者たちと身近に接しました。その1人がグーグルマップを開発したジョン・ハンケです。『この世で一番楽しい地図をつくる』という目標を、視点を宇宙に引き上げることで達成しました。さらに地球外の地図であるグーグルムーンやグーグルマーズも開発しました」

――ハンケ氏は現在スマホ向けゲーム「ポケモンGO」を展開する米ナイアンティックの最高経営責任者(CEO)です。拡張現実(AR)などの技術を活用した眼鏡型端末の実用化を進めています。グーグルの若い技術者は発想に限界を設けないのですね。

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