老舗継いだ若手 羊羹に新たな風

羊羹といえば、主に小豆を使ったあんを寒天で固めた伝統の和菓子。老舗も多い。今回のランキングでは羊羹のイメージが変わるような斬新な見た目や風味、素材づかいに工夫を凝らしたものを対象に選んでみた。三越伊勢丹で和菓子のバイヤーをしている弓納持清美さんは「和菓子の伝統的な技法や文化を生かしつつ、現代に合った和菓子をつくる新世代の作り手が増えてきた」と話す。

新顔が続々登場する背景には店を引き継いだ若手経営者の存在がある。7位に入った五條堂の2代目、柴田彩さんは「ニューヨークの街中で現地の人が羊羹をかじりながら自転車に乗る時代が来れば」と話す。8位の佐藤屋8代目、佐藤慎太郎さんも「若い人に手をのばしやすいイメージを持ってもらえるように頑張りたい」と意気込む。

海外の有名パティスリーと組んだ洋風仕立ての羊羹を期間限定で販売する動きも。ピエール・エルメ・パリ日本法人のリシャール・ルデュ社長は「非常に可能性に満ちた菓子」と語る。羊羹の新潮流に今後も注目したい。

■ランキングの見方 数字は専門家の評価を点数化。商品名(店名)。(1)税込み価格(おおよその内容量)、送料は別(2)公式・販売サイトのURL(3)所在地。写真は鈴木健撮影、スタイリングは来住昌美。

■調査の方法 和菓子に詳しい専門家の助言をもとに「素材や風味に工夫を凝らし、見た目も鮮やかな新世代の羊羹」を23品リストアップ。感染対策に留意して東京都内で試食会を開催。「見た目や味がよく、新しさを感じる」「家族や友人に贈りたい」といった観点でおすすめ順に1~10位まで選んでもらい、結果を編集部で集計した。

■今週の専門家 ▽来住昌美(フードスタイリスト)▽君島佐和子(フードジャーナリスト)▽芹沢賢次(月刊製菓製パン編集部部長)▽中島久枝(作家・フードライター)▽林周作(郷土菓子研究社代表)▽原亜樹子(菓子文化研究家)▽本多純(スイーツフォトグラファー)▽松田智華(ぐるなび食バイヤー)▽三村健二(フォトグラファー)▽安原伶香(和スイーツ研究家)▽弓納持清美(三越伊勢丹和菓子バイヤー)▽渡辺さとし(アヤカンパニー副社長)=敬称略、五十音順

(荒牧寛人)

[NIKKEIプラス1 2021年7月10日付]


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