「食事管理アプリ」の最適解 2大アプリ試してみた
適切なタイミングの食事により体内時計のリズムをコントロールすることを目指す「時間栄養学」に沿って食習慣を改善するには、食事記録を日々つけておくと効果的だ。その際に強い味方になるのが、スマートフォンを操作するだけで簡単に食事の記録ができる「食事管理アプリ」だ。
時間栄養学に基づく食事法にどう生かしていくのか意識しつつ、実際に2つのアプリを2週間試した。
あすけん:1食ごとのアドバイスが分かりやすい
1つ目は、asken(東京・新宿)が提供する「あすけん」だ。2007年からいち早く管理栄養士の知見と人工知能(AI)を掛け合わせたサービスを始め、13年にアプリ版の提供を開始。コロナ禍の20年3月以降会員数が急増し、現在は550万人を超えている。
目玉は食事記録を基にAI管理栄養士からアドバイスをもらえる点。リマインド通知も1日に1回好きな時間に設定でき、食事時間を意識するのにも役立った。
月額480円(税込み)の有料版にすれば、基本のダイエット、糖質制限、ボディーメークなどコースが目的別に選べるようになる。さらに、料理の写真をアプリにアップロードするだけで、AIによる画像解析機能も使えて便利だ。
解析結果のメニュー名が正しかった場合、そのまま登録すると食事の記録が完了し、カロリーや最大15種類の栄養素の分析結果が表示される。さらに、1日ではなく1食ごとにアドバイスが得られ、食事をするたびに何が良かったか、悪かったかを教えてもらうことが可能。「食物繊維を意識して脂質の吸収を抑えましょう」などアドバイスが具体的なため、ダイエット初心者でも使いやすく感じた。
カロミル:栄養素の分析が詳細で振り返りが楽
次はライフログテクノロジー(東京・中央)が16年にサービスを開始し、ダウンロード数が95万を突破した「カロミル」だ。食事記録のAIでの分析に力を入れている印象で、無料版でもあすけん有料版と同様にAIによる料理写真の画像解析が使えるうえ、栄養素の分析は18種類に及ぶ。
さらに、AIは食事記録を基にした体重予測も行い、1週間ごとに更新。「脂質の摂取量が316グラム以下」など良かった点、悪かった点が表示され、反省に生かせる。食事提案機能など、有料サービスは必要に応じてを追加していく仕組みだ。リマインド通知の任意での設定はできないため、食事時間の管理に役立てるにはやや物足りなさを感じた。
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では、時間栄養学に沿って使うならどのアプリが最適か。なんといっても「いつ」食べたかを意識したいため、食べたものを写真に撮ってアップするだけでいいという食事記録の手軽さはやはり重要だ。さらに食事へのアドバイスが毎食後もらえると次の食事に生かしやすい。
その点で、あすけん有料版は試す価値が高いと感じた。
(日経トレンディ 山口佳奈)
[日経トレンディ 2021年7月号の記事を再構成]
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