SDGsへの意識が高まる中、「女性登用」の動きが活発化

社外取締役として、特に求められているのが「女性」です。女性活躍やダイバーシティー(多様性)の推進が叫ばれる中、多くの企業が女性役員の比率を高めようとしているわけですが、やはり内部登用はハードルが高く、なかなか進んでいません。

しかし、グローバルでSDGsへの意識が高まる中、女性役員の比率アップは避けては通れない課題です。意思決定ボードに女性がいないとなれば、株主総会などで指摘されてしまう時代。特に一般消費者向け商材・サービスを扱う企業では、「消費者の多くが女性なのに、なぜ意思決定ボードに女性がいないのか」などと突っ込まれることになります。

特に海外の投資家はその点に注目しています。米国などではナスダックが上場企業の取締役に女性やマイノリティーの人々の起用を義務付ける提案も出ているようなご時世です。グローバルの潮流に乗るためにも、女性の登用は急務となっています。

このような最近の傾向を象徴する、社外取締役選任の事例をご紹介しましょう。

ある大手メーカーのカンパニー長から、こんな相談を受けました。

「私の部下に、財務部長を務めている女性(40代)がいるが、社外取締役を経験するといいのではないかと考えている。視野が広がるし、外部で得た知見は自社にも還元できるだろう」

その女性自身も「チャレンジしてみたい」とのことで、求人案件を紹介しました。彼女が就任したのは、金融サービスを手がける、数百人規模の上場企業で社外取締役。それからおよそ1年、その人は「やってみて本当に良かった」と言っています。「取締役会に出席することによって、経営ボードがどのような視点で意思決定しているのかが理解できた。視座が高まり、経験値が上がった」そうです。

もう一つの事例は、古い歴史を持つ地方の食品メーカーです。社長が代替わりしたのを機に社内変革に乗り出したのですが、既存の取締役は先代の時代からいる60歳前後の人ばかり。変革を推進するために世代交代を図りたいのですが、40代など若い世代を社内登用するには難しい事情がありました。そこで、社外取締役という形で、フード関連事業を手がけるネット企業で組織・社内文化づくりを経験した40代女性を招き入れたのです。

彼女たちのような事業会社でのマネジメント経験者のほか、もちろん経営メンバーや起業家として活躍している人たちも含め、女性にとっては今後、「社外取締役」を経験する機会が加速度的に増えていくでしょう。上昇志向を持って挑戦した先には、必ずキャリアの選択肢が広がります。ダイバーシティーのあるべき姿の実現という面からも、女性たちにはぜひチャレンジしてほしいと考えています。

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