ポルシェ911ターボ 「ターボS」より濃厚な一体感

2021/9/5
ポルシェ911ターボ(4WD/8AT)
ポルシェ911ターボ(4WD/8AT)
webCG

最高出力580PS、最大トルク750N・mのパフォーマンスを誇る「ポルシェ911ターボ」に試乗。さまざまなステージで600km以上を走り込むと、先に登場した上位モデル「ターボS」とのちがいが見えてきた。果たしてこの“素のターボ”を選ぶ意味とは?

この車名には特別な響きがある

この992型のターボは2020年の7月に受注開始されたのだが、興味深いのは高性能版のターボSがそれに先がけた同年3月に登場していることだ。先々代の997型ではターボSが後から追加されたし、先代991型ではターボSとターボは同時発表だった。また「カイエン」や「マカン」「パナメーラ」にはターボかターボSのどちらかしかないのに対して、911だけはわざわざその両方が用意される。

従来の911でも、販売台数はターボよりターボSのほうが多かったという。その意味では、売れ筋=ターボSを先行させた今回のマーケティングは正攻法だ。それでもターボがあえて残されたのは“911ターボ”という車名にはやはり特別な響きがあるからだろう。また、「カレラ」(最高出力385PS)、「カレラS」(同450PS)、「カレラGTS」(同480PS)というキメ細かいラインナップを取りそろえる最新911では、そのカレラ系の上がいきなりターボS(650PS)では、ギャップが大きすぎるのかもしれない。

というわけで、ターボである。エンジンや8段PDK、油圧多板クラッチ式4WDなど、パワートレインのハードウエアはターボSと共通だ。エンジンはカレラ系の3リッターツインターボをベースにしたもので、3.8リッターの排気量に2基の可変タービンジオメトリーターボを組み合わせる。ただし、制御(主に過給圧)のちがいによって、エンジン性能はターボSより70PS/50N・mディチューンされた最高出力580PS/最大トルク750N・mで、GTSとターボSの間を埋める。PDKの変速比や最終減速比はターボSと変わりない。

ターボとターボSにおける見た目で最大の識別点は、角型4本出しのエキゾーストである。そして、ターボSに標準のセンターロックホイールやPCCB(ポルシェ・セラミック・コンポジット・ブレーキ)、PASM(ポルシェ・アクティブ・サスペンション・マネージメント)付きスポーツサスペンション(10mmローダウン)、PDCC(ポルシェ・ダイナミックシャシー・コントロールシステム=電子制御スタビライザー)などがターボでは省かれる。もっとも、ご想像のとおり、これらはすべてターボでもオプション追加することは可能だが……。

「ポルシェ911ターボ」(写真)およびオープンモデルの「911ターボ カブリオレ」は、2020年7月16日に日本導入が発表された。
今回は、クーペモデルの「911ターボ」に試乗。911ターボは8段PDKのみの設定で、最新モデルの車両本体価格は2500万円となっている。
試乗した車両には、ランプユニット内がブラックに塗られるオプションの「ティンテッドLEDマトリクスヘッドライト」が装着されていた。
3.8リッター水平対向6気筒ツインターボエンジンをリアに搭載。フルブースト時に最高出力580PS/6500rpm、最大トルク750N・m/2250-4500rpmを発生する。
今回試乗した車両の外装色は「ゲンチアンブルーメタリック」。これを含め「911ターボ」は、全17色からボディーカラーが選択できる。
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パワーフィールは豪快にして緻密