課題が見あたらず安心してしまったら、そこで成長は止まってしまいます。そんな危機感を映すように、この対談のなかで吉田さんは「表現すること」とは、「自分と戦って、自分を更新していく作業」ともおっしゃっています。常に前を向き、仕事人として、1つの課題をクリアしたら次の課題に挑む。そんな風に「自分を更新していく」作業……これは俳優に限らず、どのような職業においても必要不可欠な作業であるように思います。
自分との戦いを続ける努力
吉田さんの推定年齢が40代であることは、おそらく多くの視聴者が気づいていることでしょう。ビジネス社会においてその世代は、上司と部下の板挟みとなり、調整役になる場面も多く、どうしても、目の前にある課題をこなすだけで日々を過ごしがちです。
自分が前進するために自らに課題を設定し、丁寧に取り組むだけの時間的な余裕も、心の余裕もないのが現状です。
ですが、そうしたなかであっても、吉田さんの言う通り、自分と戦い続ける努力を怠らなければ、自然と自身の課題は見えてくるものです。日々の業務をこなすだけで達成感を得ているようでは、自分との戦いの場が設定されず、当然のことながら自身の課題に気づくことができません。
「敵は外にいない、自分自身のなかにいる」
この姿勢はとても大切です。さらに、この姿勢を貫きつつ、躍進している人物の存在を意識することが、自分自身を更新するためのカギとなります。