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2021/8/5

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勝負をかけた「パーフェクトな」ビール

新商品のネーミングにも、味へのこだわりや商品への本気度が込められている。「サントリーのスタンダードビールの新しい定番となるべく勝負をかけた」というこの商品の名前を決めるため、社内公募も行われた。商品名は、社名を冠した「パーフェクトサントリービール」に決定。このネーミングには、「サントリーが考えるこれからの時代のパーフェクト」という思いが込められているという。

「第一に、おいしいのは当たり前。そしてこれからの時代には、体のことも気遣えるのが当たり前になってくる。そんな『ビールど真ん中のおいしさ』と、『体のことを気遣いたい』というニーズに応える機能を両立できたという自信から、パーフェクトサントリービールと名付けました」と稲垣さん。パッケージデザインは、機能系ビール類に多いヘルシーなイメージの白色や緑色をあしらったものも検討されたが、「中身の完成度に対してパッケージデザインがライト過ぎる」という意見から、品質や本格感に見合ったビールらしいデザインへと舵(かじ)を切る。紺と金というカラーリングの堂々としたデザインが採用された。

機能系ビールでありながら、中身のおいしさで勝負! 紺色と金色を基調にした「王道ビール」らしいデザイン

さまざまな人が関わる新商品開発 チーム力を上げる工夫

2010年入社の稲垣さんはこれまで、ノンアルコール飲料や新ジャンルなどの商品開発やマーケティングを担当してきた。2度目の育児休業から復職するタイミングで、パーフェクトサントリービールのブランドマネージャーに着任。過去に商品開発を手掛けた経験から身に付いたユーザーの潜在的ニーズを読み取るノウハウや、機能系商品の訴求方法などを、今回のマーケティングにも役立てたという。

商品に関わるさまざまな関係部署をまとめ、ブランドを引っ張っていく立場として意識しているのは、「相手への敬意と、自分の意思を持つこと」と稲垣さん。

「1つのブランド、製品というのは醸造家やデザイナー、宣伝、広報など多くの専門家の力で成り立っていますので、チームメンバーに対する敬意は常に持っていますね。一方で、さまざまな部門のこだわりの間で板挟みになることもあります。調整する立場になったとき、大切なのは自分の意思を強く持つこと。その上で粘り強く気持ちを伝えていくことで、納得してもらえることは多いんです」

稲垣さんは、「商品のことを一番考えて前に進めていくのがブランドマネージャーの役割」だと言う。「ブランドの真ん中にいる人間として、誰よりも商品のことを考える存在であることは意識していますね」

開発に関わる社員たちの年代や、セクションごとの文化もさまざまだ。開発チームをまとめる中で、それぞれの人材に合ったコミュニケーションも意識している。

「相談の仕方も、相手によってコミュニケーションを変えています。この人はここまで規定した上で相談したほうが仕事を進めやすいタイプだとか、この人は、抽象的な議論の段階から一緒にディスカッションしたほうがアイデアの幅を狭めなくていいなど、その人に合った密なコミュニケーションを心掛けていますが、まだ精進中です」

(文 川辺美希、取材・構成 加藤京子=日経xwoman doors、写真 鈴木愛子)

[日経xwoman 2021年6月16日付の掲載記事を基に再構成]

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