引き上げてくれる上司、というと、たとえば派閥とかこびを売るとか、あまりよくない印象を持つ人がいるかもしれません。けれどもここでお伝えしたいのはそういうことではありません。

管理職、そしてその次のステップである役員がすべきことは、あくまでも組織として成果を出すことです。組織ではチームワークを発揮することはもちろんですが、リーダーシップを発揮しなくてはいけません。

ここでリーダーシップというと、優秀な個人の視点と思われがちですが、決してそうではないのです。

リーダーの必須要件は、付き従ってくれる人たちがいることです。

個人として優秀だけれども、誰も後ろに続かない人は、決して組織を動かせません。

誰かに引き上げられるということは、そこに付き従っている人たちのピラミッドの上位に移動することなのです。そのわかりやすい例が、上司がすでに作り上げているチーム構造の中で活躍することなのです。

役員なるときには跡継ぎか変革が期待される

役員選抜段階での予備選抜で管理職と違う点は、株主の存在を意識できるかどうかです。

オーナー企業であればオーナー家との関係性がわかりやすいでしょう。また上場企業であれば、広いステークホルダーだけでなく、有力な機関投資家の存在を理解できているかどうかです。それらの株主に対してまずい行動をとりそうな人は、ここで落とされてしまいます。

たとえ上場企業であったとしても、創業オーナー家を軽んじる人は役員候補にならないまま予備選抜で落とされるのは、そういった事情です。

役員選抜の本番では、管理職同様に引き上げてくれる存在が必要になります。

ただ、管理職と違う点は、引き上げてくれる人が引退する立場にあるか、あるいは同格に近い存在である点です。

引退する立場からの引き上げは、たとえば会長職に退く社長が、次の社長候補として役員に引き上げてくれるような場合です。このときには、これまでの経営路線の踏襲をしてくれる存在として期待されることになります。

一方で同格に近い存在からの引き上げは、たとえば新しく常務になる人が、別部門の役員候補として声をかけてくるような場合です。このよう場合には、変革の仲間として誘われることが多く、過去の経営路線からの脱却を目指すことになります。

出世競争も自分の位置を知れば判断しやすくなる

経営は一人ではできません。あなたがすでに活躍している組織構造を理解し、自分がどのようなことを期待されているかを知れば、さらに活躍の範囲が広がります。

あなたは今、4段階の競争のどの位置にいるでしょう。

例えばすでに管理職として活躍されているのであれば、ぜひ社長を目指し、4段階競争の役員本番から考えてみてください。

現経営層の経営路線踏襲か、改革か、どちらを期待される立場になっているか。具体的に引き上げてくれる人が存在しているか。

その前提として、資本構造を理解したうえで行動しているか。

単純な基準ではありますが、意識して行動するだけで、ずいぶんとチャンスが高まります。

ぜひ更なる出世を目指してみてください。

平康慶浩
 セレクションアンドバリエーション代表取締役、人事コンサルタント。グロービス経営大学院准教授。人事コンサルタント協会理事。1969年大阪生まれ。早稲田大学大学院ファイナンス研究科MBA取得。アクセンチュア、日本総合研究所をへて、2012年から現職。大企業から中小企業まで180社以上の人事評価制度改革に携わる。

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