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冷やして食べるふわとろ食感のくりーむパンや、香ばしい焼きたてミニクロワッサンなど、地方の中小食品メーカーの隠れた逸品を駅ナカの一坪ショップで大ヒットさせ、注目される「生産者直売のれん会」(東京・台東)。社長の黒川健太氏(45)は、東京都立の名門校、国立高校(国立市)の出身だ。当時、2つのことに熱中した経験が、今のビジネスにもつながっているという。

小学生の頃から父親の仕事を手伝い、稼ぎがあった。

父は北海道の高校を中退して東京に出てきた人で、若い頃は職を転々としていました。小さい頃、学校で「僕のお父さん」みたいな作文を何度か書かされましたが、毎回父の職業が違うのです。ある時はちり紙交換、別の時にはソーラーパネルの取り付け屋。長距離トラックの運転手をしていたこともあり、「お前も乗るか」と言われ、気づいたら大阪まで連れて行かれていたこともありました。

父は情に厚い半面、理不尽なことを言われたら上司であろうとぶん殴ってしまうような人。転職を繰り返すうちに会社勤めは無理だと悟ったようで、僕が小学校5年生くらいのときに自分で配管の設備会社を作りました。10人くらいの職人さんを雇っていましたが、親分肌ですごく慕われていました。

僕にとってラッキーだったのは、工事現場で手伝いをしてお小遣いをもらえたことです。コンクリートをこねたり、工事に使う管を決まった長さに切ったりするぐらいは子どもでもできます。今も地元の府中市を車で走ると、昔、父について工事に入った記憶のある建物があちこちにあります。職人さんに混じり、つなぎを着て泥だらけになって働くのは面白かったですし、何より小学生にしては相当、稼げました。

そうやってためたお金で買ったのがギターです。僕は一つのことにのめり込む性質で、小学校で野球にはまり、中学でも野球部に入りましたがすぐにけがをしてしまい、そこからはロックやヘビーメタルなどの音楽に夢中になりました。風呂と食事の時以外、時には食事中もずっと弾いていましたね。そのうち作曲にも興味が湧いて、本を買い込んで独学しました。人の心を動かすセオリーを探るためにヒット曲を構造の面から分析するなど音楽の聴き方もどんどんマニアックになっていきました。

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