組織の法則、グラフで解読 経営課題を明確にする視点紀伊国屋書店大手町ビル店

経営や組織論の書棚の平台に展示する(紀伊国屋書店大手町ビル店)
経営や組織論の書棚の平台に展示する(紀伊国屋書店大手町ビル店)

ビジネス街の書店をめぐりながら、その時々のその街の売れ筋本をウオッチしていくシリーズ。今回は定点観測している紀伊国屋書店大手町ビル店だ。訪れたのは月曜日の夕方。店内は客の姿が多いようにみえたが、そんな光景は月曜と金曜に限られ、週の半ばはコロナ禍で減った来客を取り戻せていない。リモートワークの定着を実感させる来客状況だ。そんな中、書店員が注目するのは元経理マンの経営コンサルタントが組織の状態を示す72の法則を簡単なグラフをもとに考察し、組織の課題を可視化して解説した本だった。

組織の法則をシンプルにグラフ化

その本は前田康二郎『図で考えると会社は良くなる』(クロスメディア・パブリッシング)。著者の前田氏は制作会社やPR会社で経理を中心に管理部門の業務でビジネス経験を積んだあと独立、現在は業務改善、組織改善などのコンサルティングを手掛けている。著者によれば、「組織がどのような状態のときにどのような事象が起きるか」という組織の法則を知れば、組織の問題として課題を明確にでき、改善へ向けて柔軟な対応が可能になるという。そうした「組織の法則」をグラフ化できるものに限って72項にわたって取り上げ、解説したのが本書だ。

グラフといっても著者が示すのは極めて単純なものだ。縦軸と横軸があり、そこに右肩上がりや右肩下がりの線がある。ときには途中まで上がって下がる線がある。そんなシンプルなグラフだ。

例えば「経営者の日次作業の手離れ度」が縦軸に、「組織の規模の拡大度合い」が横軸に取られ、右肩上がりの線が引かれている。このグラフが示す法則は「経営者が日次作業をしていると、視野も日次レベルに落ちる」。この法則について、研修で関わった会社の事例を紹介しながら3ページほどでコンパクトに解説する。そして、自分の会社がなかなか大きくならないと悩んでいるとしたら、もし50人、100人、1000人の会社になったとき、経営者自身が今している日常的な仕事が引き続きできるかを想像してみては、とアドバイスする。

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